『太陽の居場所』




「カ〜〜イッvv
 今日は私と遊ばない??」
「え〜っ!!
 今日は私よvvね、カイvv」
「なによっ!!小娘の分際で!!」
「カイにはあんたみたいなおばさんにはあわないわよ!!」
去年まで俺、こういうのはどうやってやり過ごしてたっけ?
今年はただうざいとしか思えない。
「カイッ!!私のほうがいいわよねぇ?」
「私だよね、ね、カイvv」
片方は俺より年上のお姉さん。
もう片方は俺より若い女の子。
二人とも、毎年遊ぶ、俺の好みの女だ。
でも・・・その顔を見ても、何も思わない。
「悪いけど・・・商売の邪魔だから。」
「!!なによっ!こうして来てやってるのに!」
「カイ、ひどいっ!!」
やっと・・・静かになった。
不思議だよなぁ・・・
俺は、今まで騒がしい方が好きだったのに。
「すみませ〜ん。
 焼きとうもろこし二つくださ〜い。」
「あ、はいはい。
 500Gになりますぅっ!?」
「はい、500G。
 ・・・どうかしたんですか?」
なんだ・・・見間違いか。
一瞬、クレアがいるのかと思った・・・
似ても似つかないのに。。
あぁ・・・そうか。
やり過ごし方がわからなくなったのも、好みが変わったのも・・・
すべて・・・みんな、クレアのせいか。
騒がしいより静かなのが好きなのも、クレアがそうだからだな。
俺は・・・遊びだと思ってたけどいつの間にか本気になってたのか。
金髪に青い瞳の、牧場主に。
会いたいな・・・・
店をたたんで、あいつのところへ行こうか。
夏じゃないけど、あいつに会いに。
そうと決まれば、善は急げだ。

夜の最終のミネラルタウン行きの船に乗って、何よりも先に牧場へ。
クレアは・・・どんな顔をするかな。
  がちゃっ。
・・・ん?しまってる・・・?
夜空を見ると綺麗に丸い月が。
あぁ・・・・今日はお月見の日か。
ってことは・・・マザーズヒルか?
行くだけ行ってみるか。

「うっわ〜。綺麗に見えるんだなぁ、ここ。」
マザーズヒルには、誰もいなかった。
ここだと月がとても大きく見える。
でも・・・風が強いな。。
「え・・・カイッ!?」
お?ここに来て正解だったか?
振り向くと、金の髪を風になびかせたクレアがいた。
「よっ!こっち来いよ。月が綺麗だぞ?」
「なんで・・・いるの?
 今、秋だよ?」
「なんとなく、かな。」
「なんとなく?」
隣に来て、俺の方を向いて。
その動作がすごく愛しい。
「・・・前言撤回。
 お前に会いに来たんだよ、クレア。」
クレアは途端に赤くなってそっぽを向く。
こうしているだけで満足だ。
「クレア・・・お前のことが好きだ。
 だから、会いに来たんだよ。」
月の光が金の髪に反射している。
聞こえてない振りしてるだろ。。
「クレア、俺は本気だからな?」
「カイ・・・」
「明日、青い羽買ってくるよ。
 ・・・受け取ってくれるか?」
「・・・・・・・はい。」
さっきよりもっと赤くなった顔。
その顔を見て思った。
俺の居場所はここなんだ・・・と。
クレアがいる場所が、俺の居場所なんだ、と。


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