Angel Heart


ある日、僕の目の前に『天使』が舞い降りた・・・ 「こんにちわ。名前は?ここで何してるの?」 金の髪に、青い瞳の綺麗な『天使』。 僕の目にはそう映った。 それは、教会だから、と言うこともあったのかもしれない。 彼女は綺麗に光って見えた。 「クリフ・・・  懺悔を・・・してるんだ」 「私はクレア。よろしくね♪  クリフ君は、どうして懺悔をしているの?」 彼女――クレアさんはそう言い、僕の隣に座った。 僕はそのまま答えなかった。彼女に、言いたくなかったから―― それから彼女は毎日教会へ来る。 毎日、僕の隣に座って何かを祈っている。 僕にとって、教会で彼女が横にいるのは当たり前になっていった・・・ 「今日は、クレアさん来ませんね。」 カーターさんが言った。雨のあたるステンドグラスを眺めながら。 もう、いつもなら来ている時間なのに来ない。 雨が降っているからなのか、それとも具合でも悪くなったのか・・・ 「クリフ、心配なようなら牧場に行ってみたらどうですか?」 「・・・はい。」 今、僕は彼女が隣にいないことでこんなにも心配に、不安になっている。 僕は、牧場へ向かって走り出した。 牧場では、クレアさんは思いがけない人と一緒にいた。 ・・・グレイだ。 笑って、話をしている。 「じゃあ。またね、クレアさん。」 「うん。ありがとう。・・・のこと教えてくれて。」 グレイはちょうど帰るところらしかった。 一部、聞こえなかったけどこれはわかった。 ・・・心配する必要はなかったんだ。ということが。 「あれ?クリフ?クレアさんに会いにきたのか?」 グレイは、僕にそう声をかけたけど聞こえない振りをした。 窓から中をのぞいてみると、クレアさんはうれしそうにキッチンの中にいた。 どうしてそんなにうれしそうにしているのか、わからなかった。 わからないけど、それはグレイのためのような気がした。 グレイに、作ってあげるんだろうか・・・ どのぐらい、窓の外にいただろう。 クレアさんが、僕に気がついた。 「クリフ君!?  どうしてそんなところに立ってるの?」 驚いた顔。クレアさんはタオルを持って、窓を開けた。 「ほら、風邪引いちゃうよ!?  中に入って!」 クレアさんは、優しい。 だけど、その優しさは時に残酷。 「ううん、いいんだ・・・  クレアさんの家に上がったら、グレイに怒られちゃう。」 「グレイ?どうしてそこにグレイが出てくるの?」 だって・・・僕はさっき見てしまったから。 もう、クレアさんの優しさに甘えたくない。 「大丈夫だから。」 「クリフ君は大丈夫でも、私が心配なの!!」 心配・・・? 「どうして?僕なんか、どうなってもいいのに・・・」 「どうなってもなんかよくない!!  好きな人のこと心配して何が悪いの!?」 ・・・え? びっくりして顔を上げると、目の前に真っ赤になったクレアさんの顔があった。 「す、好きな人・・・?」 クレアさんはコクコクと真っ赤になった顔を縦に振っている。 「ぼ、僕が・・・?」 「そうよ!!私は・・・クリフ君のことが好きなのよ・・・」 クレアさんは今にも泣きそうな顔をしている・・・ あぁ、そうか。 この気持ちは・・・僕のこの気持ちは、クレアさんに対する「好き」だったんだ。 そう、唐突に思った。わかった・・・というのが正しいのかもしれない。 「僕も・・・好きだよ。クレアさんのことが。  だから・・・こうしてきたんだから・・・」 そう、こうして来て、グレイと笑ってるのを見たんだ。 「嘘・・・」 「嘘じゃない」 嘘、って言いたいのは僕の方。 まさか、『天使』が僕を見てくれるなんて思っていなかったから。 「ねぇ。さっき、グレイと何話してたの?」 クレアさんの家に入って、落ち着いてから聞いたこと。 やっぱり、気になる。 「え?///」 カァッと赤くなったクレアさん。 「・・・クレアさん?」 「クレア・・・。」 「え?」 「クレアって呼んでくれたら教えてあげる。」 「・・・クレア。教えてくれる?」 「グレイに・・・クリフ君の好きなもの聞いてたの。  お弁当作って、ピクニックに誘おうと思って。  教会で懺悔するのもいいけど、って思ったから・・・」 クレアさん・・・クレアは赤くなったまま。 聞こえなかった部分は・・・それ・・・? 僕のために・・・? その一言で、僕はとても救われた気がした。 何のこともない言葉のはずなのに・・・ なんだかクレアさんがすごくかわいく見えて、気がついたら抱きしめていた。 「え・・・?クリフ君?」 「大好きだよ、愛してる。僕の・・・僕の天使。」 クレアさんは、「天使」だ。 僕の“罪”をその笑顔で洗い流してくれた。 その存在が、僕にとって今何よりも大切なもの。 「クリフ君・・・  私は・・・『天使』じゃないよ?  私は、ただクリフ君のことが好きなだけ。  好きな人を、たすけてあげたいと思ってただけ。」 その気持ちが・・・僕にとって『天使』だっていうこと。 クレアさんは、『天使の心』を持ってる。 「うん・・・ありがとう・・・」 「え?クリフ君、どうして泣いてるの!?」 自然と、涙が出てきた。 これは・・・何の涙だろう。 「大丈夫。ありがとう、クレアさん。」 「ク・レ・ア!!」 「じゃあ・・・クレアさんも僕のこと名前で呼んでよ。」 僕が言ったとたん、クレアさんは言葉に詰まった。 そして、また顔が赤くなっている。 「ク、ク・・・クリフ・・・」 「よくできました。」 「なんか・・・性格違くない?クリフ君・・・」 「呼び捨てでいいんだってば。クレアさん。」 性格が違う・・・? そうかな。憑き物がすべて落ちたように清々しいけど。 「やっぱり・・・なんか違うよ?ク、クリフ・・・」 「クレアのおかげだよ。それともこんな僕は嫌い?」 「そ、そんなこと・・・!!」 あわてて言うクレアさんがとてもかわいくて面白くて。 こんなに楽しく思える時も久しぶりだった。    僕を救ってくれた「天使」    彼女は、僕の支えになってくれた    彼女は、僕を「許して」くれた    僕に「笑い方」を思い出させてくれた    彼女にはいくらお礼を言っても言い足りない    ありがとう、僕の『天使』・・・    一生、君の事を守るから    命をかけて守るから    だから、君は笑っていて    僕の隣で・・・    一生、死ぬまで一緒にいよう―――  ===== お題A、Angel Heartのはずが・・・ これ、『天使の心』ですか? どうにもそうとは思えない・・・(爆 「Angel」のほうが正しい気が・・・(題を勝手に変えるなよ いや、それでも厳しいかもしれない。 お題にそって書くのは大変だと痛感しました。 そして、もう一つ。 私に短編は無理なようです。 これも終わらなくて・・・泣きました。 これでも減らしたんですけど十分長いですね。 どうにかならないものか・・・           2004.06.02 ユウナ。
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