Kiss only one lady



『私のこと好き?』
『あぁ、好きだよ』
何度となくいろんな女と繰り返した会話。
そのあと、決まってキスをしてくる。
俺からしようと思ったことなんてなかった。
お前に出逢うまでは・・・

夏、一年ぶりのミネラルタウンで。
挨拶回りをしていて、お前のことを聞いた。
『若い、女牧場主がやってきた』・・・って。
しかもかなりみんな褒めていて、俺とは違うと思った。
俺は、街の男たちには嫌われてたから。
会ってみて、ほかの女とは違う反応に驚いた。
普通の女は、俺をまっすぐ見なかった。
普通の女は、俺の目を見て話さなかった。
俺と話していても、目はどこか違う場所を見ていた。
俺と喧嘩腰で話すなんて女、いなかった。
『邪魔』『嫌い』って面と向かって言ってきた女も・・・
俺が覚えてる限りお前ぐらいだった。
不思議だよな。
俺は、そんなお前に心奪われた。
気付いたのは秋になってからだったけど。
夏が終わっても、帰りたいとは思えなかった。
まだ、お前といたい―――
そう思ったんだ。
そう思ったのなんか初めてで。
俺は、自分が何でそう思うのかわからなかった。
でも・・・
今までしていたことをしたいとは思わなくなった。
ほかの女を『好き』だなんて言えなくなった。
それで、気付いた。
好きなんだ、と。
そうしたらいてもたってもいられなくなった。
街で、お前がほかの男と話してると思うと嫌だった。
どうしようもなく、苦しかった。
今だから言える。
俺はとてつもない馬鹿だ。
自分の想いに気付かなくて・・・
気付いたら気付いたで勝手な嫉妬をして。
自分の想いに気付いて、それはどんどん膨らんでいって。
電話を、かけた。
1番大切だと思えるお前に。
宿屋にしか電話はないから、牧場まで呼びにいってもらって。
出た声は息を切らしていた。
牧場から、走ってきたらしい。
その声を聞いたら、涙が出てきた。
ただ、声を聞いただけなのに。
無言になった俺にお前は心配そうな声をかけてきたよな。
その後、俺が言えたのはたった一言。
自分の、気持ちだけ・・・
言って、でも返事を聞くのが嫌で、切った。
切った後に後悔したけどな;
一週間後、お前が俺の前に現れた時は驚いた。
牧場の仕事があるはずなのに。
俺に、返事を聞かせるためだけに。
一番大事だと言っていた牧場を他のヤツヘ任せてまで。
で、今日。
俺は教会にいる。
今、誓おう。
お前と一生一緒にいることを。
一生、お前を守っていくことを。
俺がキスをしようと思うのはお前に対してのみ。
そして、実際にするのも・・・

I’ll kiss only you,Clare.
And,I love you forever...


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お題『K』、“たった一人の女にキスを”です。
・・・・・びみょ・・・(ぇ
ちなみに、カイの独白です。
何だかなぁ、と思ってしまったことは秘密で★(マテ

     2004.09.21  ユウナ

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