漁夫の利



「僕が誘うんだってば!!」
「俺が誘うんだ!!」
「お前ら、朝っぱらから何言い合いしてるんだよ。」
朝早くから、宿屋で口論が。
口論しているのは、クリフとグレイ。
それを呆れたように見ているのはカイ。
「カイには関係ないよ。
 とにかく、クレアさんを誘うのは僕!!」
「何でお前がクレアさんを誘うんだよ!!
 俺が誘うんだ!!」
「クレアを誘う・・・?
 それなr・・・」
「うるさぁぁぁぁいっっ!!
 朝っぱらから何不毛な言い争いしてんのよ!!
 少しは他人の迷惑ってもん考えないの!?
 ったく・・・朝ご飯出来てるんだからさっさと食べてよね!!」
何かを言おうとしたカイを遮り、ランが怒鳴り込んだ。
そして、三人の頭を叩く。
「何で俺まで殴られなきゃいけないんだ!?
 俺は口論してないぞ?!」
「不毛なって何だよ、不毛なって!!」
「・・・痛い。」
「連帯責任よ、連帯責任。
 不毛なもんは不毛でしょ。
 クリフ、何このぐらいで痛がってるのよ。」
三人の反応にコメントらしきものを付け、ランは部屋を出る。
三人も、それに倣うように階下へおりた。


「何で着いて来るんだよ、クリフ!!」
「グレイこそ!!
 何で僕の前歩いてるのさ!!」
夕方。日も後は落ちるだけで、暑さも和らぎ始めた街で。
またもや、二人が言い合いをしている。
二人とも、互いを牽制するように歩きながら。
そうして着いた場所は町外れの牧場。
二人の口論の元である牧場主、クレアのいる場所。
「あ、こんにちわ、クリフ君、グレイ君。
 相変わらず仲がいいのね。」
「「こんにちわ、クレアさん」」
二人とも、にこやかに同じ言葉を言い、それに気付き互いを睨み付ける。
「クレアさん、明日の花火大会、僕と一緒n・・・」
「花火大会、俺と一緒n・・・」
互いに先に言おうとし、そして最後までは言えなかった。
クレアが、それを遮ったために。
「花火大会、楽しみだよね♪
 私、今からすっごく楽しみにしてるの」
にこにこと微笑むクレア。
「二人は、誰と行くか決まってるの?」
「クレアさんと一緒に行きたいと思って。」
「クレアさん、一緒に行きませんか?」
異口同音にそういう二人。
クレアは、きょとんとしている。
「・・・私?」
「うん」「あぁ」
「・・・・・・ごめんなさい」
しばしの沈黙の後で返された言葉。
「私、カイと見に行くの。
 だから、ごめんね。」
「「カイ!?」」
先程まで競い合うようにしていたのも忘れ、二人は顔を見合わせた。
「本当に、ごめんね」
申し訳なさそうなクレアを見ず、そのままの状態で固まっている。
「私、用事があるから・・・
 じゃあ、また来てね。
 お誘い受けれなくてごめんなさい。」
そう言い、クレアはマザーズヒルのほうへと消えた。
「・・・帰るか。」
「そうだね・・・」
残された二人は、放心したようにクレアを見送り、とぼとぼと歩き出した。

「俺たち・・・何なんだろうな・・・」
「さぁ・・・・・・」
赤く染まった街で、二人の影は長く長くのびていた。


=====

キリ番4444、シュウ様へ。
リクエストは・・・
『グレイ・クリフがクレアを勝手に取り合ってる間に、当のクレアはカイとくっついてしまう』
簡単に言えば『漁夫の利』。
ってか、すみません。
リク貰ってから、1ヶ月・・・
本当にごめんなさい↓↓
しかも、『漁夫の利』・・・なってます?(聞くなよ

シュウちゃん、返品可能ですのでw

     2004.08.31
          09.03   ユウナ

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