願星



 

もうすぐ、2年になる

あなたがいった、あの日から・・・

秋。
私は早めに仕事を終わらせてマザーズヒルに向かった。
マザーズヒルは、今が1番綺麗。
山が赤と黄色に染まって。
青い高い空は紅葉によく映えて。
今が1番好き。
でも・・・1番嫌い。
彼が、いなくなったのは山が綺麗に紅葉した時だから・・・
彼がいなくなって、もう二回目の紅葉。
あの、雪の降っていたあの日から、あと半月もしないで二年になる―――

私が彼に初めて会ったのは、二年前の春。
秋になって、話すようになったら気が合って。
それからすぐに仲良くなって。
大変な仕事とかも手伝ってくれて。
私は、彼のことを好きになった。
でも・・・それを言うことはできなかった。
居心地のいい関係を壊したくなかったから―――
彼がいなくなることを知ったのはその前日で。
行かないでと言いたくても、私にはその権利はなくて。
雪の降る中で、した約束―――
“誕生日に、あの場所で・・・”
あの場所・・・
私と彼だけが知ってる、紅葉が1番綺麗な場所。
今日はその約束の日。
2回目の、誕生日。
去年は彼は来なかった。
今年は・・・?
今年は来てくれるのかな・・・

「いない・・・・・・」
“あの場所”に着いて。
誰も、いない。
ただ、紅葉が風に乗って舞っているだけで。
「そうだよね・・・」
いるわけが、ない。
“誕生日に・・・”ってだけで、ちゃんと決まってる訳じゃない。
わかってる・・・わかってるけど・・・
ひょっとしたら・・・って気持ちが消えない
待ってれば、来るかもしれない・・・って思っちゃう
暗くなるまで、待ってよう。
そうすればきっと、諦めもつくから・・・

時間はどんどん過ぎていって。
夕焼けで、空が綺麗に紅く染まって・・・
そして、どんどん闇色になっていって・・・
それでも、彼が来る気配は少しもなくって・・・
星が輝きを増していって・・・
「あ、流れ星・・・?」
流れ星が願いを叶えてくれるなら・・・
彼を連れて来て・・・会いたい・・・
彼に、私の気持ちを伝えさせて・・・
なんて願っても、叶わないだろうなぁ・・・と思う。
でも、願いたい・・・
彼に、逢わせてください・・・
彼へと好きだと言わせてください・・・
星が、微かに瞬いた。
まるで・・・返事をするように・・・
「クレアッ!!」
・・・え?
私を呼んだ、その声は懐かしい声で・・・
「いてくれて・・・よかった・・・っ」
息を切らしてる、その姿は私が待っていた人のもので・・・
「グレイ君・・・・・・」
「クレアさん、ただいま。」
私が名前を呼ぶと、彼は笑顔で返してくれた。
その笑顔を見て、嬉しくて涙がでてきて・・・
「これ作ってたら予想外に時間かかって・・・
 遅くなってごめん。」
そう言って差し出されたのはリボンのかかった小さな箱。
「誕生日おめでとう、クレアさん。」
中に入っていたのは、ネックレスと指輪。
ネックレスには蒼い、羽根のトップが付いてる・・・
グレイ君が作ったの・・・?
「ありがとう・・・
 嬉しい・・・・・・」
「それと、もう一つ・・・
 クレアさん、好きです!!
 俺と・・・俺と、結婚してください!」
その手にあるのは、青い羽。
嘘・・・・・・
これは・・・夢?
こんなの、嬉しすぎるよ・・・
「・・・喜んで。
 私も・・・グレイ君のこと、ずっと好きでした・・・」
雲で隠れていた月が、顔を出す。
その月は大きくて丸くて。
たくさんの星たちはさらに輝きを増して。
その明かりに照らされたグレイ君の顔は心なしか赤くなっていて。
星が、流れた。
私の願いを叶えてくれたのかな・・・
『幸せになってね・・・』
どこからか、そんな囁きが聞こえた気がした・・・


☆★☆★☆★☆★☆★

観名様へ。
リクエストは・・・すみません、リクにそってません(爆
最初はちゃんとそのつもりだったのですが・・・?
どこから変わっちゃったんだろ。。

実は、第三回祭り御礼『誓月』の続編として読めるという代物だったりします。
いつのまにそうなったのか・・・誰か教えてください。。(マテ
途中までグレイの名前を出さなかったのはなんとなく。(ぇ
クリフと間違えてくれるかなぁ、と思いましてね☆
いろいろなものが不発に終わっている気がしなくもないです。

観名様への捧げ物ですので、その他の方のお持ち帰りはご遠慮くださいませ★
まぁ、いないとは思いますがね・・・

     2004.09.15  ユウナ 
 

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