遅咲きの花



『好きだ!!』
秋の初日、カイに言われた。
私はそんなこと言われるとは思ってもみなくて、返事ができなかった。
カイは太陽のような笑顔を少し曇らせて、街からいなくなった。
私にこの先一年間の連絡先を書いた紙を残して―――

『クレアさん、好きです・・・』
冬の半ば、クリフくんに言われた。
やっぱり、私は返事ができなかった。
その時、クリフくんは雪のように儚い笑顔を浮かべた。困ったような、優しい笑顔。
一週間後、クリフくんはいなくなった。カイと同じように、紙を一枚残して―――

『クレアさん、俺と付き合ってください。』
そして春の初め。私の目の前にはグレイ君が。
とても寂しそうな顔に、思わず返事をしてしまった。
『はい』って・・・
でも違う―――
私はグレイ君を選んだんじゃない
これ以上私のそばから人がいなくなるのが嫌だったから・・・
だから・・・

「今日もいい天気だね。
 もう一週間もすれば完全に夏になるかな。」
「そうだね。暑くなるなぁ・・・」
付き合い始めてから三週間。二人で一緒にいるのが普通になった。
一緒にいるのは嫌ではない。でも何かが違う・・・
「夏になればまたにぎやかになるな。
 そういえば、クリフ、カイと一緒に帰ってくるってさ。
 二人とも、きっと驚くな。」
・・・え・・・・・・?
「カイとクリフくん、戻ってくるの?
 もう、戻ってこないんじゃ・・・」
「カイは毎年夏にだけ来るんだよ。
 クリフは・・・金のメドでもついたんじゃない?」
二人が、帰ってくる・・・
「・・・・・・。」
「クレアさん?どうしたの?」
思わず沈黙した私を、グレイ君が覗き込む。
「なんでも、ないよ・・・」
「そう?ひょっとして疲れてるんじゃない?無理はダメだよ。」
「わかってる。大丈夫だよ。」
笑いながら、思った。
“知られたくない”・・・
誰に?“あの人に”・・・
何を?“私が、グレイ君と付き合い始めたコトを”・・・
何故?それは・・・“好きだから”・・・
・・・わかった。わかって・・・しまった・・・・・・
「クレアさん!?
 どうしたの!?俺、何かした?!」
気付いて、涙が流れ出した。
「私が・・・悪いの・・・・・・
 ごめんね、グレイ君、ごめんね・・・本当にごめんね・・・・・・」
隣で慌てているグレイ君に言えたのはそれだけで。
私は、泣き続けた。

しばらくして泣き止むまで、グレイ君はずっとそばにいてくれた。
何も聞かずに、いてくれた。
グレイ君は優しい。優しいから、そばにいてほしいと思う。
でも、それじゃあダメなんだ。
それは、ただ甘えてるだけだから。
「グレイ君、ごめんね・・・
 私、ほかに好きな人がいるの・・・」
「やっぱり。もしかしたら・・・とは思ってたんだけど。
 クレアさんが謝ることはないよ。・・・苦しい思い、させてごめん。」
え・・・・・・
「どうして・・・
 それに何でグレイ君が謝るの・・・?」
「クレアさん、あいつがいなくなったあといつもの元気さがなかったしね。
 俺と今一緒にいなければ、クレアさんは自然に気付いて、泣くこともなかっただろうし。」
そんなの、気付かなかった・・・
グレイ君は優しすぎるんだ。
何も悪くないのに・・・
「・・・そんなカオ、しないでよ。
 ほら、電話してきたら?
 きっとあいつ、すごく喜ぶよ。」
そう言って、グレイ君は私を立たせて背中を押してくれた。
「うん。ありがとう・・・」
私は、振り向いて笑った。
宿屋に行って、電話しよう。
きっと驚くだろうな・・・


   氷と雪と太陽と

   三人はみな、花を想う

   明るく優しい、美しき花を

   自分の気持ちを知った花

   花はどちらを選ぶのか

   花と共に歩むのは―――



☆★☆★☆★☆★☆★

ピーヨへの捧げ物。
詩が付いてるものを、とのリクエスト。
ん〜・・・詩、思い付かなくてこんなのです(爆
最近詩を書いていなかったからか、ダリアと同じような感じに・・・;
ぁぁぁぁぁ・・・ごめんなさい、ピーヨ。
もちろん返品可能です。。

     2004.11.28  ユウナ

書き終わって捧げた後にアップ忘れて放置してました・・・(爆
忘れてた、とは少し違いますが。。
ぁ、名前はピーヨ命名ですv

     2005.01.30 アップ

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