あなたに、君に、
会いに行こう。
byアゲハ・クリフ
第16話「春の海辺」
グレイの言葉を聞いて走り出したクリフ。
そのころアゲハもクリフを探していた。
「クリフ・・・。どこにいるかな?」
アゲハは春の海辺に来ていた。
波が行き交う中、呆然とアゲハは立ち尽くしてしまった。
「どうして会えないの・・・?こうゆう時に限って・・・。」
アゲハの頬からは涙が流れた。
そうして海辺を離れようとした時――――
「アゲハ!!」
アゲハを呼ぶ声が聞こえた。
それはクリフだった。
「クリフ・・・・!?」
「どうしていないんだよ・・・。牧場に!」
「どうしってってあなたを探して・・・」
「僕を?!なんだ・・・アゲハもかぁ」
クリフは気が抜けたようにしゃがみ込んだ。
アゲハは状況がつかめず、混乱していた。
「クリフも・・・?」
「うん・・・。君に伝えたい事があるんだ」
アゲハはクリフの真剣な眼差しに驚いた。
「私もあるの。」
「先に言わせて・・・・?」
そういったとたん、アゲハは不安が過った。
あの『薔薇』のようにはなりたくない。
だが、ここで自分が思いを伝えてしまったら、
『薔薇』になってしまうような気がして。
「・・・・ゴメン。やっぱり今の無しにして?」
「え・・・・?」
アゲハはその言葉を残し立ち去ろうとした。
クリフは驚き、アゲハの腕をつかみ呼びとめた。
「アゲハ!!僕の話は聞いてはくれないのか?」
突然腕をつかまれたアゲハはびっくりした。
「・・・そうだね。クリフの話も聞かなきゃ・・・。」
クリフから目を反らした。
アゲハの姿は、海辺にとてもあっていて、
金色の髪。
スラっとした身体。
優しい笑顔。
その彼女が、自分に目を合わせなかったことにクリフはショックを覚えた。
だが、気持ちを伝えないと、
彼女はどこかへ飛んでいってしまいそうで。
「アゲハが好きだ」
アゲハはその言葉を聞いてクリフを見た。
「え・・・・?」
「アゲハが好きだ」
クリフは2回その言葉を口にした時に、
アゲハは涙を流していた。
「本当に・・・・?」
「本当に・・・あなたは私を・・・?」
まだ信じられないようで、アゲハは繰り返した。
「好きだよ。」
そして、クリフは囁くように言った。
彼女は、涙を目にいっぱい溢れさせながら言った。
「私も・・・あなたが好きです・・・。」
二人は、春の海辺で抱き合った。