「こんにちわ」
10歳ぐらいの妙に落ち着いた風貌の少年が扉を開け、中にいる幼馴染に声をかける。
「あれ?今日来る日だったっけ?」
「あ!!ミールお兄ちゃん!!遊ぼう!」
一番年上に見える少女が疑問を投げかけ、一番幼い女の子が満面の笑顔で出迎える。
「今日は来ないって言ってなかったか?」
少年が椅子から立ち上がりつつ聞く。
「うん、そのつもりだったんだけど・・・。
 今日はこれを連れてきたんだよ。」
女の子に『ミールお兄ちゃん』と呼ばれた少年がこれ、と指を指した先にいたのは五歳ぐらいの男の子。
「ダリちゃんの遊び相手にちょうどいいかと思ってね。」
「あぁ、ちびカイか。
 確かにちょうどいいかもな。」
「セイ兄ちゃん!俺ちびじゃないよ!?」
「ちびカイ、向こうで遊んで来いよ。
 ほら、クレアたちが待ってるぞ。」
『セイ兄ちゃん』と呼ばれた少年は『ちびカイ』に向かい、笑って言う。
「カイくん、おいで。」
『セイ兄ちゃん』の指差した先にいた『クレア』が呼ぶ。
『カイ』は呼ばれた方へ小走りに向かった。
「カイくん、だりあと一緒に遊んでくれる?」
『クレア』はそばまで寄ってきた『カイくん』に言った。
でも、肝心の『だりあ』の姿は見えない。
「・・・?」
『だりあ』は部屋の隅で、隠れていた。
最初の、『ミール』に対する態度とは180度違う態度。
『カイ』はそれでもかまわずに、人懐こい笑顔で『だりあ』の方に向かっていった。
「お前がだりあ?
 俺、カイって言うんだ。よろしくな!!」
無邪気に差し出された手。
しかし、『だりあ』はそれに応えない。
「ダリちゃん、大丈夫だよ。
 これは、僕の弟だから。」
「・・・本当?」
「うん。ダリちゃんを、守ってくれるから。
 な、カイ?」
「あぁ!」
差し出されたままの手。
『だりあ』はその手をおずおずととった。
「よろしくな、ダリ!!」
『カイ』はにっと笑って言った。
「うん・・・カイ、ちゃん・・・」
『だりあ』は初めてできた同年代の“友達”に戸惑いつつも嬉しそうにしている。

「よかった・・・
 これで、だりあは・・・」
遊び始めた二人を見ながら少女が呟く。
気をつけて聞いていなければ気付かないような呟き。
「アズサ?何か言った?」
その呟きを認識したのはそばにいた、『クレア』のみ。
「ううん、なんでもないわ。
 なんでも・・・」
その呟きを最後まで聞くことはできない。
最後まで出てくることのない呟きだったから。
その呟きは『アズサ』の心の中に。

それから、『カイ』と『だりあ』はいつも一緒に・・・
『カイ』が『だりあ』を守る。
その構図はいつまでも続くように見えた・・・


   太陽と花の最初の出会い

   『花を守る』―――

   その心の下に

   太陽は守る

   か弱く儚いダリアの花を

   その光は花を照らす

   花の笑顔が曇ることはない

   その光が花を照らしている限り―――


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