「だりあ!!よかった。 ちゃんと来れたのね。心配してたのよ。」 「お姉ちゃん・・・。 本当にいいの?私がこっちに来て。」 「いいにきまってるでしょ? まぁ、ちゃんと牧場の仕事は手伝ってもらうけどね。」 今日、私はミネラルタウンで牧場を始めたクレアお姉ちゃんのところに来た。 一人じゃ大変だからって呼び寄せてくれたんだ。 でも、そんなの口実だってわかってる。 お姉ちゃんは、いつでも私のことを考えてくれているから。 「さて、みんなのところにあいさつ回りに行こうか。 きっとだりあでも仲良くなれるよ。みんないい人だからね。」 「みんな・・・?」 みんなって・・・ 「うん。街の人たちだよ。 大丈夫、お姉ちゃんがついてるでしょ?」 私は、人が苦手だ。特に、同じ年頃の男の子が。 「やっぱり、男の子いる・・・よね?」 「・・・いる、けど、いやって言うんなら話さなくてもいいから。ね?」 私は、小さいころから人が苦手だった。 でも、こんな私にも、もう十年以上好きな人がいる。 「彼」とは、ずっとずっと友達で、仲がよかった。 私の、たった一人の友達といっても良かったかもしれない。 そんな彼に、中学を卒業するとき、告白をした。 でも、彼はいなくなってしまった。私の前から。 それから、もっと人、特に男の子が苦手になってしまった。 もう、一生会うことはないと思っていた。 そして、そうなるはずだった。 私がここに、そしてここに夏が来るまでは・・・。 「だりあ・・・。行ける?」 「うん・・・。」 結局、あいさつには行った。でも、私は一回も話さなかった。 そして、数ヶ月後・・・。 最初は、全くといっていいほど牧場の外には出なかった。 でも、何人かの女の子たちが来て、仲良くなった。 それから、少しずつだけどお姉ちゃんについてくようになった。 相変わらず、男の子たちとはあんまり話せないけど。 ある日、私はお姉ちゃんと一緒に牧場を出た。 その時、いつも街で見たことのない、 でもどこか見覚えのある男の子とポプリちゃんが話してるのを見かけたんだ。 私はその男の子が誰だか、最初はわからなかった。 悩んでるうちに、その男の子がこっちに気づいたんだ。 お姉ちゃんと彼があいさつをしている間、私はずっと悩んでた。 お姉ちゃんが私のことを彼に紹介したとき、彼は不意に私の顔を覗き込んで言ったんだ。 「ダリ?だりあか?」 私はびっくりした。私を「ダリ」と呼ぶのは一人だけだったから。 そして、後悔した。外に出なければ良かったと。 そう、彼は、私の友達・・・だったから。 「カイちゃん・・・」 どうして・・・?どうして、カイちゃんが・・・。 「やっぱりダリだ。久しぶりだなぁ。元気だったか?」 「なに?だりあちゃん、カイと知り合いなの?」 カイの、親しげな様子に、ポプリちゃんが不審そうに私に聞いた。 「うん・・・。」 「ダリは俺の友達だよ。昔からの、大切な、ね。」 「ふぅん。そうなんだぁ・・・。 ねぇ、カイ!!ポプリと一緒に海に行こ!ポプリ、カイの料理食べたい!!」 「ごめん、また今度な。今日はダリと話したいから。」 「えぇ!むぅ・・・・」 ポプリちゃんは、不満そうながらも、にわとりりあにかえっていった。 「カイくん、久しぶりね。見違えちゃって、わからなかったわ。」 「俺はわかってたよ、クレアさん。 まさか、こんなところで二人と再会するなんて思ってもいなかったけどね。」 お姉ちゃんとカイちゃんは、にぎやかに話し始めた。 カイちゃん、変わってないなぁ。 「ダリ、どうかしたのか?」 「え?なんで?」 「いや、全く話さないからさ。調子でも悪いのかと思って。 調子悪いなら、すぐに言えよ? いつもいつも、ダリは無理するんだからな?」 あぁ、そうか・・・私、昔からカイちゃんといるときだけはよく話してたんだっけ。 で、いっつも私が調子悪くてもむりしてたのを見破ってたっけ。 「そんなことないよ? ・・・こんなところでカイちゃんと会ったからびっくりしてるだけ。」 「そうか?ならいいけど・・・。 ところでダリ、もういい加減俺のこと『カイちゃん』って呼ぶのやめろよ。 ちゃん付けはさすがに恥ずかしいからさ。」 「ヤダ。カイちゃんはカイちゃんだもん。」 私だけだもん。カイちゃんって呼べるの。 「あぁぁぁっ!!だりあ、時間、時間!!」 いきなりお姉ちゃんが叫んだ。 話に夢中になってて時間を忘れていたらしい。 ザクさんが来る前に、しておくことがあったのに、今日は何にもしていない。 どうするんだろう、お姉ちゃん。 「じゃあね、カイくん!!急ぐから!!」 「えっ?!ダリ、俺、夏の間は海岸で、海の家開いてるから、来いよ〜〜っっ!!」 そんなカイちゃんの声を、お姉ちゃんに引きずられながら、聞いた。 「ダリア」の花は真夏の太陽に出会う 花は一度太陽をなくした その太陽と花はもう一度出会う 花の運命は変わるのか |