あれから、お姉ちゃんと私は、急いでやんなきゃいけなかったことをしていた。 「ふぅ〜。や〜っとおわったぁ。 終わってよかったね。お姉ちゃん」 「そうだね。だりあ、おなかすかない? ご飯食べに行こうか。」 そう、家には調理道具が揃ってないから、 ランちゃんのところまで食べに行かないといけない。 人がいっぱいいるから、いつも私の分はお姉ちゃんに持って帰ってきてもらうのに。 お姉ちゃんも聞かなくたって私が行かないっていう事ぐらいわかるはずなのに。 「・・・行かない。 また持って帰ってきてくれればいいよ。」 「だりあ、カイくん、ダッドさんのところに泊まってるんだって。 カイくんがいれば平気でしょ?ね、行こ!ランちゃんだってよろこぶよ。 第一、カイくんに夜、だりあとご飯食べに行くからって言っちゃったもん。」 う・・・。お姉ちゃんは「だりあと」って所を強調して言った。 「あ〜あ、カイくん、待ってるだろうなぁ。 だりあが来ないって言っちゃったら、残念がるかもなぁ。 心配するかもなぁ。」 お姉ちゃん、私がカイちゃんに弱いの知ってるから・・・。 どうしよう・・・。でも、待ってたりはしないと思う。 だって・・・・・ 「・・・行く・・・。」 「えっ?!ホントにっ? じゃぁ、行こう!!」 お姉ちゃん、うれしそう・・・。 あぁ・・ひょっとしたら初めて自分から行くって言ったから・・・? 「こんばんわ!!」 「おう、クレアさんか、いらっしゃい。」 「ダッドさん、いつもの二つちょうだい!!」 「ふたつ?おぉ、だりあちゃんもきてたのか。めずらしいな。」 「こんばんわ・・・」 ダッドさんは私がいるの、気づいてなかったみたい。 「少し待ってろよ。今作ってくるからな。」 「ダリ!!こっち来いよ!」 あ・・・カイちゃんだ。 「あぁ〜〜っ!!だりあちゃんがカイに向かって笑ってるっ!! だりあちゃんが男の子に向かって笑ってるのなんてはじめて見た・・・。」 ランちゃんが叫ぶ。 ランちゃんにそういわれて始めて気がついたんだけど、 私は無意識のうちに笑ってたらしい。 自分では全く意識してなかったんだけど・・・。 「そうか?ダリはいつもこうだったぞ?」 違うよ、カイちゃん。 それはカイちゃんのそばにいるときだけだったもん。 「こんばんわ。」 いきなり、私の後ろから、声がした。 しかも、男の・・・。 「あ、リック君。いらっしゃい!!」 ポプリちゃんのお兄さんのリックって人だ。話したことはないけど。 「あ、クレアさん!来てたんだ。 一緒に飲まない?だりあちゃんも。」 私は、固まってしまった。 どうしよう・・・。 「ダリ!どうした?」 いつのまにか、カイちゃんが目の前にいた。 リックさんはもう奥に入ったらしい。 「カイちゃん・・・」 私は、カイちゃんにしがみついてしまった。 「ダリ?大丈夫か?」 「カイくん、こっちにそのままだりあを連れてきてくれる?」 お姉ちゃんが、奥のほうから、言った。 さっさと奥に行ってたの・・・? 「ダリ、このまま持ってくぞ。」 「え・・・?」 カイちゃんは、そう言ってしがみついたままだった私を抱き上げて、奥に運んでいった。 「カイ?何やってるの?」 クリフ君が下りてきて言った。クリフ君とも話したことはない。 「だりあさん?!」 一緒に降りてきたらしいグレイ君だ。 私がカイちゃんに抱っこされているのが意外らしい。 そりゃそうだよね。 グレイ君とも話したことはないし、他の男の人とだって話すことなんて したことのなかった私がカイちゃんに抱っこされてるんだから。 「カイちゃん、下ろして・・・?歩けるから。」 「ヤダ。しがみついてきたのはダリなんだしな。 おとなしくしろよ。落ちるぞ。」 「「・・・だりあさんが話してるの始めて聞いたかも・・・。」」 「グレイ、クリフ何でそんなところに突っ立ってるんだ?」 「カイちゃん〜〜。下ろしてよぉ。」 大して距離はないのに、すごく長く感じる。 なんかすごい恥ずかしい・・・。 「ほれ、ついた。 ダリ、大丈夫か?なんか違うぞ?」 「カイくん、ありがと〜。だりあつれてきてくれて。」 お姉ちゃん・・・。泣きたくなってくる・・・。 「「だりあさん?どうしたの?? カイに抱っこされるなんて。」」 クリフ君と、グレイ君だ。 私は、反射的にカイちゃんの後ろに隠れてしまった。 「ダリ?こいつらは大丈夫だぞ?俺の友達だから。 ほら、怖くない、怖くない。」 「カイちゃぁん。」 涙声になってしまった。 やっぱり、カイちゃん以外はダメみたい。 「カイ、何でお前は平気なんだ? しかもなんだか親しげだし。」 「あ??俺はダリの幼馴染だから・・・かな? 中学までは一緒のところに通ってたんだよ。」 私は、カイちゃんの後ろに隠れたままだった。 手が震えてるのがわかる。 「だりあさん、だいじょうぶ? 手が震えてるみたいだけど。」 クリフ君が、言った。心配してくれてるみたい。 「・・・大丈夫・・・。」 「「・・・!!」」 「あ!本当だ。ダリ、どうした? こいつらが怖いのか?クレアさんに言って帰るか?送ってくぞ?」 少しずつだけど、震えは収まってきた。 「大丈夫だよ、カイちゃん。平気。」 私は、笑いながら言った。 「「・・・!!!」」 「そうか?ならいいけど・・・。 で、おまえらは何をそんなにびっくりしてるんだ?」 「「だりあさんが僕(俺)たちに向かってしゃべった・・・。 それに・・・笑った・・・。」」 「はぁ??何言ってんの? ダリがしゃべったり笑ったってだけでなんでそんなにおどろくんだよ。」 「「だって初めてだし。 こんなに話してるの聞くのも。笑うの見るのも。」」 「そうなのか?」 カイちゃんは、私に向かってそう聞いた。 「うん。今まで、話したことなかったし。 ・・・たぶん、笑ったこともないと思うし。」 今度は、カイちゃんがびっくりしてる。 「ダリが?」 「うん。クリフ君とグレイ君の前では。 カイちゃんは平気なんだけど・・・。」 「まだ治ってないのか。」 「・・・うん・・・」 私の人嫌いは、治ってない。むしろひどくなった。 ・・・カイちゃんが私の前から消えてから。 「「何の話?」」 「別に。お、出来たみたいだぞ。」 「はい、どうぞ。」 「あれ?なんか多くないか?」 「だりあちゃんのにはオマケ!!」 「はい、クレアさん。」 「あ、ありがとぉ。」 お姉ちゃんは、リックさんと話をしながら飲んでたみたい。 顔が少し赤くなってる。 「だりあも飲む〜〜?おいしいよ?」 「お姉ちゃん・・・私、まだ17。未成年だから。」 「ダリ、食べないのか?食べちまうぞ。」 いつのまにか、カイちゃんが私のご飯を食べていた・・・。 「あ〜〜っ!!食べないでよ〜っ!!」 「「だりあさんて・・・明るかったんだな・・・。」」 不思議だった。 カイちゃんがいるからか、クリフ君やグレイ君がいるにもかかわらず、話すことが出来た。 「ダリ、あ〜ん。」 カイちゃんは、なんだか嬉しそうにして、口をあけて待っている。 こういうのを浮かれてるって言うのかな? 「まったくもぅ・・・。」 「だりあさんとクレアさんって似てるよね。」 いきなり、クリフ君が言った。 「そうだな。笑ったり話してるとこ見ると似てるって思うよな。」 グレイ君もいってる。そうかなぁ・・・。 「ねぇ、だりあさん。 だりあさんのこと、カイみたいに『ダリ』って呼んでもいい?」 「え・・・。」 「ダメ。ダリのことをそう呼んでいいのは俺だけなんだよ。 だから、クリフはダメ。もちろん、グレイもな。」 「え〜〜〜〜〜。 僕、カイになんか聞いてないし。だりあさんに聞いてるの。」 「だめったらダメ。」 カイちゃん、そんなこと聞いたら、嬉しくなっちゃうよ・・・。 「だりあ、そろそろ帰ろうか?」 「うん。お姉ちゃん、大丈夫?」 「大丈夫だよ〜」 お姉ちゃんは、結構酔ってるみたい。ふらふらしてる。 「ダッドさ〜ん、いくらですか〜?」 「いいよいいよ。」 ランちゃんが言う。 「でも・・・」 「今日はおごり。 そのかわり、また来てよ、ね?だりあちゃん。」 「・・・うん。わかった。」 「ダリ、送ってこうか?」 「大丈夫だよ!カイちゃん!」 「じゃあね!!だりあちゃん。気をつけて帰ってね。」 「うん。ばいばい。」 「「だりあさんて・・・笑うとかわいいよな。」」 雪と氷は花を見る かわいらしい、「ダリア」の花を 太陽を見ている、「ダリア」の花を 雪と氷は何を思う |