第十三話

      カタンッ

何か・・・音が聞こえた気がした。
でも、私はカイちゃんに言われたことが嬉しくて、それどころじゃなかった。

 *****そのころ・・・*****

「ここが、ミネラルタウン・・・?」
船から降りて、あまりにも海岸に人がいないから、驚いた。
だって、今は夏だぞ?!
海水浴の季節だぞ!?
お、誰か来た。
「すみません、聞きたいことがあるんですけど・・・。」
俺が話しかけた相手は、ピンクの髪の女の子だった。
びっくりすることに、彼女は泣いていた。
「・・・誰?観光の人?」
泣きながら俺にそう聞いた彼女は、少し恥ずかしそうだった。
そりゃそうだ。
泣いてるところを知らない男に見られちゃな。
でも、俺は泣いてる女は苦手だから、かける言葉が見つからない。
「ああ、俺はセイヤ。ちょっと人を探してこの町に来たんだけど。」
「そうなの?私はね、ポプリ。」
ポプリか・・・。でも俺、聞いてないんだけど・・・。
「誰を探してるの?」
あ、そうだった。彼女は泣き止んだようだった。よかった。
「クレア。知ってる?」
とりあえず、クレアの名前だけ言った。
「ああ、クレアさん?知ってるよ。」
よかった。ここにいるんだ。
「どこにいるか、教えてほしい。」
「うんとね、今の時間なら牧場・・・にいると思うよ。場所、わかる?」
普通に考えれば、わからないと思うんだけどなぁ。
「わからない。案内してくれる?
えと、ポプリ・・・さん?」
「うん。いいよ。案内してあげる。」
よかったぁ。一人で行くとなると、迷う可能性大だからなぁ。
「あ、ポプリにはさんってつけなくていいよ?セイヤくん。」
自分のこと名前で言ってるのか。
「わかった。じゃあ・・・ポプリ?」
「うん!」
呼び捨てで呼ばれることがそんなに嬉しいか・・・?
「じゃあ、セイヤくん、いこ!」
そういって、ポプリは歩き始めた。
「ポプリ、俺のことも呼び捨てでいいよ。」
歩きながら、言う。
俺が呼び捨てなのにポプリが俺のことくんづけってのはちょっとなぁ。
「わかった!セイヤでいいの?」
う〜ん、なんかかわいいなぁ。
「ああ。セイでもいいけど。」
クレアには、セイって呼ばれてた。
・・・他の親しいやつらにも。
「・・・セイくんって呼ぶ。」
あ?いきなり元気がなくなった気がする。
また泣いたりしないよな・・・?
「あ、ここね、ポプリのうち。養鶏場をしてるの。」
へぇ・・・養鶏場・・・ねぇ。
「あ!!ポプリ!!その男は誰だ!?」
お前こそ誰だよ・・・。
「あ、あれ、ポプリのお兄ちゃん。いろいろとうるさいの。」
「確かに、うるさそうだな。」
正直な感想を言った。シスコンなのか?
「ポプリ!こっちに来い!」
うん、うるさい。
「まったくもぅ・・・。
セイくん、クレアさんの牧場はそこ左に曲がったとこだから。」
そう言って、ポプリは家に帰っていった。

あぁ、ここか。
結構でかい牧場だなあ。
でも・・・クレア、いないみたいなんだけど。
どうしようか。
町の中歩いてれば会えるかな。
そう思って、牧場を出た。
そうすると、今度は[UMA]って書かれた帽子をかぶった男に会った。
やっぱり聞いてみる。
「すみません、クレアどこにいるか教えてほしいんですけど。」
「!!君、誰?」
あ、そりゃそうだ。
いきなり聞いても教えてくれるわけないよな。
「俺はセイヤ。
クレアに会いにこの町まで来たんだけど、牧場にいないみたいだから。」
「俺はグレイ。
セイヤ、クレアさんがいるところまで案内しようか?」
案内してもらったほうがいいよな。
「ああ、そうしてくれるとありがたい。」
「それじゃあ、こっちだよ。」
それにしても、なんでこいつクレアの居場所わかってんだ?
「あ、グレイ!!後ろの人、誰?」
また男が出てきた。今度は誰だ?
「こいつ?セイヤって言うんだって。
クレアさんに会いに来たそうだから、クレアさんのところまで案内するんだよ。」
「へぇ。セイヤ、よろしく。僕はクリフだよ。」
勝手に紹介された。別にいいけどさ。
「よろしく。」
「ねえ、僕も行ってもいい?」
なんで案内するのに二人も必要なんだよ。
「別にいいけど。」
「じゃあ、行こう!」
・・・勝手に歩き始めてるし。

「ここだよ。クレアさんがいるところ。」
「たぶん、いるはず。」
病・・・院?
なんで、こんなところに?
「俺たちは帰るから。じゃあな。」
「ああ。ありがとう、グレイ、クリフ。」
とりあえず、礼は言った。
そして、中に入った。


   幼い花は何を想う

   真夏の暑い太陽か

   それとも、星の輝く夜の月か


*****その間・・・。*****

「あんまり起きてると疲れるから、もう寝ろ。」
「眠くない。」
私もうそんなに病人じゃないもん。
「だめ。寝ろ。」
「やだ。眠くない。」
そんな会話を何回も繰り返してたとき、お姉ちゃんが来た。
「だりあ!来たよ。」
「お姉ちゃん!あのね・・・・」
「クレアさん!!
ダリ、俺が寝ろって言ってるのに寝ないんですよ?!
心配して言ってるのに!!」
私がカイちゃんが寝ろって言うの、って言おうとしたのに・・・。
さえぎってカイちゃんが先に言っちゃった。
「はいはい。で、だりあは?何か言おうとしたでしょ?」
わかってたんだ。
「カイちゃんがね、私に寝ろって言うの。
私は眠くないのに。っていおうとしたの。」
「二人とも、面白いわねえ。」
なんか、お姉ちゃん楽しんでる・・・?
そんな会話をしてると、誰かが入ってきた。


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