Prix pour Voeux



着いたところ、そこは・・・ミネラルタウン?
いや、まさかな。似たような風景なんていくらでもある。
俺の知っている『ミネラルタウン』はこんなに明るい雰囲気ではないし・・・
第一、あそこに『クレア』なんて女はいないはずだ。
って・・・あれ!?
小包が・・・・・・・ない!?
もっていたはずの小包は俺の手にはなかった。
見渡せる範囲にも、ない。
「あなたの探し物はこれかしら?」
くすくすとからかうような声色。
・・・今度は誰だよ。
振り向くと、泉の上に緑の髪の女の人が小包を持って立っていた。
あれ・・・?この姿って・・・教会にあった女神像と同じじゃないか?
「あら?反応がないわねぇ・・・
違うのなら捨てちゃっていいのかしら??」
「え!?まt・・・!!」
ぽちゃんと音がして、小包が泉の中に消える。
・・・どうすりゃいいんだよ。
「あ〜ぁ。落ちちゃった♪♪」
「・・・・・・・・・」
なんだか楽しそうな様子の女神らしき人物。
どうすりゃいいんだよ、俺・・・・・
「あら?・・・あなた、どこから来たの?」
「知らねぇよ・・・こっちが聞きたいぐらいだ・・・」
結局あの女の名前もしらねぇし、ここからの戻り方もしらねぇし。
「もしかして、女の子がいて、何もない真っ白なところから来なかった?」
「・・・知ってるのか?」
途端に女神(仮)の顔が蒼くなる。
そして、泉に落ちた小包をあわてて拾い上げる。
・・・何があるって言うんだよ。
「こんなことしたって、フタバちゃんに言わないでいてくれるかしら・・・?
ちょっとからかってみただけだから・・・お願い!!」
そんな、顔色まで変えて・・・
あの女・・・フタバ?っての、そんなに怖いのか?
「わかりました・・・
で、『クレア』って人にその小包を届けろって言われたんですけど・・・
どこにいるか知っていますか?」
「クレアちゃんなら、すぐそこの牧場にいるわよ。
ありがとうね、ナオキちゃんv」
・・・この人も俺の名前知ってんのか。。
「ありがとうございます。
・・・『フタバ』ってそんなに怖いんですか?」
差し出された小包を受け取った。
不思議と濡れていない。
「怖いというか・・・逆らいたくないわね。
何されるかわかったものじゃないもの。謎な子だし。。」
恐れられてるなぁ。確かに、逆らいたくはない・・・
「行かなくていいのかしら?」
そうだった。これが“代金”なんだった・・・。
叶えてももらってない“願い”の・・・・・。
「ありがとうございます。
向こうに行けばいいんですよね?」
「えぇ。すぐに牧場に入れるから。」
泉の前の坂道を下って森のような場所へ出る。
 ずいぶんのどかなところだなぁ。
 やっぱり、『ミネラルタウン』じゃないな。
で、左へ行く、と・・・・・
あぁ、この道かな。

「へぇ〜・・・でかい牧場だぁ・・・」
動物たちが放牧されて、畑が整備されていて。
結構大きな家があって。
あの家の中にいるかな?
   こんこんっ
まさか何もしないで開けるわけにもいかないし、とりあえずノックしてみた。
「入ってきていいよ〜。」
・・・は!?誰かと間違えてるのか?
そうでもなきゃ・・・こんなこと言わないよな、普通。
まぁ、許可はもらったことだし、いっか。
   かちゃっ
「はじめまして、クレアさん・・・ですか?」
「!!セイじゃない・・・・・」
そこにいたのはイヴによく似た女の人。
イヴを・・・何歳か年取らせたような感じ?
それにしても・・・やっぱり間違えてたか・・・
「すみません、俺はナオキって言います。
クレアさん・・・ですよね?」
「はい・・・・・・・」
ずいぶんと警戒心もたれてるなぁ。
まぁ、当たり前っていえば当たり前か;
いきなり知らないヤツが来たんだから;
「えっと・・・
これを届けに来ました。」
さっさと渡して帰ろう。
「これ?・・・ありがとう。」
受け取ってもらえた。
よかった・・・
さて、帰ろ・・・って帰り方わからねぇよ。。
女神のところに行けば帰らせてもらえるかな。
「じゃあ、俺はこれで・・・」
「あ、待って待って。」
踵をかえそうとしたら、呼び止められた。
「はい?」
「お茶、飲んでいかない?
もう少しすればお菓子も焼けるし。」
なんで・・・
でも、まぁいいか。
「じゃあ、お言葉に甘えて。」

「へぇ・・・そうなんだぁ。
ナオキ君も大変なのねぇ。」
そして。
なんで俺は身の上話させられてるんだ??
  かちゃ
ドアが開いた。俺は背を向けてるから見えないが。。
「あ、セイ、おかえり♪」
「これ、誰だ?
この街のやつじゃないよな?」
いきなりこれ呼ばわりかよ・・・
「ナオキ君っていってね、フタバからの届けモノ持ってきてくれたのよ。
ナオキ君、これはセイっていうの。」
「お邪魔してます。」
「よろしく、ナオキ。
で、フタバって・・・あのフタバか?」
こいつも女神様(仮)と同類か?
やけに顔が青く・・・
「そのフタバよ。
あら?カリンは?」
・・・あの女、かなり恐れられてるんだなぁ。
「カリンはもうすぐくると思うぅっ!?」
言葉が途中で見事に裏返った。
・・・当たり前だよな。
頭にドアがヒットしたし・・・
「ただいま、クレア♪」
「おかえり、カリン。」
現れたのは青みがかった金髪の女の子。
それにしても・・・
何事もないかの様に振る舞ってるよ・・・
セイヤもかわいそうなヤツだな・・・
「あれ?お客さん?セイヤは?」
「えぇ。フタバからの届けモノ持ってきてくれたのよ。
セイはあなたの左よ。」
「へぇ・・・。
あぁ、本当だ。何してるの?そんなところで。」
うゎ・・・。
気付いてなかったのか?
「カリン・・・」
「ナオキ君、帰る方法はわかってるの?」
見事に無視してるなぁ・・・
「さぁ・・・
いきなり送られたから・・・」
あれ?そういやなんで俺の名前知ってるんだ?
「そっか。
・・・フタバも面倒なこと押し付けてくれるわ・・・」
今・・・小声で何か言ったよな?
「痛っ・・・!!
クレア・・・もう少し優しくやってくれ・・・」
「あ〜・・・ごめんごめん。」
手当てするほどひどかったのか?
まぁ、いい音はしてたけどな。。
「じゃあ、フタバのところに帰る?」
へ?
「帰らないの?」
「帰る方法知ってるのか?」
「うん。」
マジかよ・・・
「で、どうするの?」
「・・・帰る。
帰り方を教えてくれ。」
「わかった。
クレア、セイヤ、ちょっと行ってくるね。
さ、ナオキ君、行きましょうか。」
「ナオキ君、また来てね♪」
いや・・・来いと言われても・・・
「ナオキ君、置いてっちゃうよ?」
いつの間にか外に出てるし・・・

「フィオちゃん、いる〜?」
連れてかれたところは最初に来た泉。
「あら、カリンちゃんじゃない♪
どうしたの?」
女神様(仮)・・・?
「ナオキ君をフタバのところまで帰そうと思って。」
嫌そうな顔だなぁ・・・
「だったら彼自身の世界に直接帰した方がいいんじゃないかしら?」
「それもそうだね。
ナオキ君、どうしたい?」
どうするも何も・・・女神様(仮)が必死で訴えかけてきてるし・・・
「直接帰る方がいいかな。」
すっげぇ嬉しそうな顔したなぁ・・・
そんなに嫌なのか。。
「そう。じゃあ・・・フィオちゃん、お願い。」
「えぇ。
あ、ナオキちゃん、これあげるわ♪♪」
渡されたのは、十字架?
「ありがとうございます。」
「よかったね、“守”をもらえて。」
「じゃあ、カリンちゃんは危ないから離れててね♪」
「うん。じゃあね、ナオキ君。」
  どかっ
・・・え?意識が遠く・・・

痛っ・・・
頭がずきずきするぞ・・・
って・・・戻って来れたのか?
今や見慣れてしまった天井。
全部夢だと思いたい・・・
でも・・・そうは問屋が卸さないってか?
机の上には女神にもらった十字架。それに一枚の紙切れ。
夢にさせてはくれないみたいだな・・・

『ナオキへ
お代は確かにいただきました。
あなたの“願い”もそのうち叶うから安心して♪
そうそう、女神の守は肌身離さず持っていること。
“願い”をより早く叶えたいのならね♪』
 
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はい、とりあえず終了です。
こっちはキリ番2250ですね;
私が馬鹿なせいでキリ番二つつかってのものになっちゃいました;
神楽、わがまま聞いてくれてありがとうございます;
ちなみに。
「Prix pour Voeux」は『願いのための代金』みたいな意味・・・ですか?(ぇ
この『代金』が無駄になるかならないかは神楽にかかっております(笑
ナオキ、“願い”が叶うといいねvv(無責任

     2004.07.16  ユウナ

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