第6話

その日から二週間がたった。
ほとんど毎日、カイちゃんは手伝いに来てくれる。
私の仕事が終わった後はお店に行って、いろいろと話して過ごして、
ご飯を一緒に食べるのが日課になった。
そして、カイちゃんがいてくれるおかげで、
私は男の子たちとも少しずつ話せるようになった。
カイちゃんが来ない日もあった。
大体が日曜日だった。
そんな日は、なんだか寂しかった。
やっぱり、私はカイちゃんに依存しているのかもしれない。そう思う。

今日は、カイちゃんが来ない日、日曜日だった。
私は、寂しさを紛らわすために、仕事をたくさんした。
そしたら・・・動けなくなってしまった。
運悪く、お姉ちゃんは町に買い物に行っていた。
しばらく帰ってこない。
まあ、じっとしてたら動けるようになるだろうと思っていたら、カイちゃんが来た。
「ダリ?!どうした?!」
「なんでカイちゃんがいるの〜?
今日はカイちゃん来ないはずなのに・・・。」
たとえ幻でもうれしいなぁ。
今日は、来ない日なんだから、ここにカイちゃんがいるわけない。
「なんだか気になって来てみたんだよ!!
なんでこの雨が降ってる中にいるんだ!!」
え・・・本物?しかも、怒って・・るの?
「動けなくなっちゃったの・・・。
だから、ほっとけば治るかなぁって。」
「風邪引くだろ!!家の中までつれってってやるよ!!」
「大・・丈・・夫・・だよ・・・?
カイちゃん来たらなんだか安心した・・・。」
私は、暗い意識の中に引き込まれていった・・・。
「おい!!ダリ?!」
そんなカイちゃんの声を、聞いた気がする・・・。


歌が聞こえる・・・。歌ってるのは・・・誰?

  壊れゆくは心の壁
 
  君と僕とを隔てる壁
  
  君は何を思う?

  悲しむ?喜ぶ?それとも・・・

  築きゆくは心の道

  君と僕とをつなぐ道

  僕は君の思うがままに

  君が僕を見ていてくれるなら

  
「う・・・ん?あれ?ここ、どこ?」
私が目を開けると、見慣れない天井があった。
私は、起き上がってみた。動ける・・・。
ふと横を見ると、カイちゃんが私の手を握ったまま眠っていた。
歌を歌っていたのは・・・カイちゃん?
「あ!だりあちゃん!!起きたのね?よかった・・・。」
「・・・エリィちゃん・・・?ここは・・・?私、どうして・・・」
「ここはミネラル医院よ。
カイくんがだりあちゃんをここまで運んできてくれたの。」
「そう・・・なの?」
「だりあちゃんね、ずっと眠っていたのよ。一週間。
カイくんは、その間ずっとだりあちゃんのそばにいて、
だりあちゃんが目を開けるのを待っていたの。
今は眠っちゃってるけどね。」
私、そんなに眠ってたの?
その間、ずっとカイちゃんがいてくれたの?
「そうなんだ・・・。」
「あっ、今ドクターを呼んでくるから。ちょっと待っててね。」
そういって、エリィちゃんは出て行った。

「う〜ん。」
あ、カイちゃん、起きるかな?
「カイちゃん、朝だよ。カイちゃん。」
「えっ!?ダリ?!目ぇ覚めたのか?!よかった・・・。」
「もう大丈夫だよ。ありがとう。」
ドクターさんが入ってきた。
「だりあ君、おかしなところとかはないかい?
動かないところとか・・・」
「大丈夫です。」
「そうか、よかった。でも、あと二、三日はここにいるようにね。」
そう言って、ドクターさんは出て行った。
「カイちゃん、私の寝てるところで歌、歌ってた?」
「え?歌ってないけど。どうしてだ?」
カイちゃんじゃ・・・ない?
あれは夢だったのかなぁ・・・
「あのね、歌が聞こえてきたの。
だから、カイちゃんが歌ってたのかと思って。
ずっとそばにいてくれたって聞いたし。」
「どんな歌だったんだ?」
「ん〜と、なんかねぇ・・・」
私は、覚えてる部分を言った。
なんか、カイちゃんの顔色が変わった気がしたけど、たぶん気のせいだろう。
「そうか・・・。」
一言だけ、短く言った。
私には、その言葉が何を意味しているのかわからなかった。
「ダリ、俺、一回帰るよ。
ダリがおきたって知らせなきゃいけないからな。また来るから。」
「うん・・・。」

少しして、ポプリちゃんが来た。


   「ダリア」の花が聞いた歌

   その歌は何の歌?

   その歌は「ダリア」の花の何を知っている

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