この頃、だりあさんとカイがよくいるのを見かける。 俺が鍛冶屋にいると、二人一緒に前を通っていくのが見えるんだ。 だりあさんは、いつも笑ってる。 ・・・カイに向かって。 たとえ俺に向かっての笑顔でなくても、その笑顔は俺に元気をくれた。 カイが店で夕飯を食べないとき、あいつはだりあさんの手料理を食べている。 そして、帰ってきて、俺とクリフに嬉しそうに、幸せそうに言うんだ。 「ダリは料理がうまいんだ。クレアさんが天下一品だって言うけど、本当だ。」 って。 うらやましいと感じる。 できることならば、食べてみたい、と。 店で食べるときもある。 そんなときは、一緒に食べる。 だりあさんは相変わらず俺やクリフに対して身構えるけどだいぶ慣れてくれた。 笑ったり、話したりもしてくれる。 その、きれいな顔で、カイでなく俺に向けて、本当にダリアの花のような笑顔を向けてくれる。 それだけで、俺は幸せになれる。 ・・・その『花』が自分のものには決してならないとわかっていても。 日曜日に、だりあさんが倒れたと聞いた。 何でも、雨の中畑の整理をしていたらしい。 心配だったので、病院に行ってみると、クレアさんと一緒にカイもいた。 カイは、ずっとだりあさんのそばにいるといって聞かなかった。 クレアさんは、カイに説得されて、牧場の仕事に帰っていった。 カイはそれからだりあさんが目覚めるまでの一週間、ずっとだりあさんのそばにいた。 その間の町のうわさはだりあさんの病状とカイの様子についてだった。 みんな、だりあさんの心配をしていた。 だりあさんは、結構みんなに人気が会ったのだと気がついた。 それはそうだ。あの笑顔を見ると、また笑ってほしいと思う。 たぶん、誰でもそうだと思う。 またあの笑顔が見たい。 がらにもなく、女神様にお祈りまでしてしまった。 だりあさんが目覚めたと知って、病院に行った。 すると、ポプリとだりあさんが話をしていた。 聞いてはいけないと思いつつ、聞いてしまった。 そして、だりあさんが声を荒げるのを聞いてびっくりすると同時に聞かなければよかったと後悔した。 ポプリが帰るといっていたので、聞いていたのがばれるとまずいとなぜか思い、隠れてしまった。 そして、顔を見せるのも気まずくて、帰って来た。 この頃、俺は何をしているんだと思うときがある。 氷は「ダリア」の花から、元気をもらう 花の笑顔は元気の源 氷のものにならない笑顔 それでも、花の笑顔は元気の源 |