・・・・・そのころ、牧場にて・・・・・ 「クレアさん、ダリ、起きたぞ。」 「えっほんと?!よかったぁ・・・。」 「あぁ。ダリはもう平気だって言ってた。 でも、ドクターがもう二三日は入院しろだって。」 「そう。」 「クレアさん・・・。 ダリが俺に言ったんだけど・・・寝てる間、『歌』が聞こえたって・・・。」 「『歌』?」 「あぁ。ミールがよく歌ってた歌・・・だと思う。」 「!!記憶が・・・戻ったの?」 「いや、ダリが覚えてる歌詞が・・・あの歌だった」 「記憶が・・・戻りつつあるの?」 「・・・かもしれない。」 ・・・・・ 私は、眠っていた。 夢の中で、また歌が聞こえた。前とは違う歌だった。 君はいつまで泣いているの? 君が泣くとみんな悲しむ 君さえ笑ってくれるなら 僕はどんなことだってする 君は僕のすべてなんだから・・・ 誰が歌ってるんだろう。 私は、声がするほうに行ってみた。 すると、一人の男の人がいた。 カイちゃんによく似た男の人だ。 ここは夢の中のはずなのに・・・と思いながらも、話しかけてみた。 「こんにちわ。それ、何の歌ですか?」 とりあえず、歌のことを聞いてみた。 知らない歌のはずなのに、懐かしい感じがするから。 「こんにちわ。この歌はね、僕が作った歌なんだ。 愛する人のために・・・。」 その人は、私のほうを見ずに言った。 「そうなんですか?きれいな歌ですね。 なんか、懐かしい感じがします。」 「ありがとう。君の名前は・・・? ・・・!!!」 私の顔を見ると、びっくりしたようだった。 「私ですか?だりあっていいます。あなたは?」 「僕の名前は知ってるはずだよ。君ならね。」 私なら知っている・・・? 「・・・?」 「・・・そうか。」 彼は、私の様子に何かを察したらしい。 「お願いがあるんだけど、いいかな?」 「私ができることなら・・・。」 「うん。君にしかできないこと、だよ。」 私にしかできないこと?なんだろう。 「あのね、伝えてほしいんだ。クレアに。」 お姉ちゃんに? なんでこの人はおねえちゃんのことを・・・? 「あ、はい。」 「僕は生きてる。今もずっと君の事を愛し続けてる。 ずっとずっと君のために歌を歌い続けてる。って。いいかな?」 「・・・はい。わかりました。」 「お願いするよ、ダリちゃん。」 その言葉で、私は、何かを思い出した。 そして、言った。 「ミル兄。絶対伝えるよ。お姉ちゃんに」 私は起きた。まだ、覚えていた。 ミル兄のことも思い出した。 ミル兄は、カイちゃんのお兄ちゃんだ。 お姉ちゃんと同い年で、とっても仲がよかった。 でも、いきなりいなくなった。 私は、当時ミル兄が大好きで、いつもついて回っていた。 きっと、信じたくなくて、記憶を封印しちゃったんだ。 ミル兄は歌を歌うのが好きだった。 よく歌を作っては歌ってくれたっけ。 そんなことを考えてたら、お姉ちゃんとカイちゃんがやってきた。 「だりあ、大丈夫?もう平気?」 「うん。もう平気だよ。あっ、あのね・・・」 私は、ミル兄からの伝言を言った。 「って、ミル兄から。伝えたからね。」 お姉ちゃんも、カイちゃんもびっくりしている。 「だりあ、記憶が・・・。 それに、ミールからって言ったって一体どこで・・・?」 お姉ちゃんは、泣きそうになっている。 「記憶、戻ったよ。夢の中でね、会ったの。」 「ダリ・・・。」 「どうしたの?カイちゃん。」 なんだかすっきりした。 「よかったな。記憶が戻って。」 「うん。」 お姉ちゃんは、泣いていた。 たぶん、嬉し涙だろう。 「あ、カイちゃん、さっきね、ポプリちゃんがお見舞いに来てくれたの。」 「ポプリが?!なんか言われたりしなかったか?!」 「別に?なんにも。」 あえて言わないでおいた。 カイちゃんに言うようなことじゃないもんね。 「ならいいけど・・・」 「だりあ・・・・ありがとう・・・。」 お姉ちゃんが、泣きながら言った。 そんなにうれしかったんだぁ。 でも、なんで不思議に思わないんだろう・・・。 「ダリ、疲れただろ?寝ろよ。」 カイちゃんが言った。 「え?別に平気だよ?」 「ダメ。まだ病人だろ?寝ろ。」 む〜。眠くないのにぃ。 「ダリア」の花は夢を見る 忘れていた人の夢 どうして今頃「夢」を見る 「ダリア」の記憶は戻るのか |