第10話

「ん・・・。」
「お、起きた。」
・・・カイちゃん・・・?
「ん〜?」
「まだぼけてるなぁ。お〜い、ダリ〜?」
手を目の前でひらひら振ってる・・・。
「・・・カイちゃん?」
「おはよ。調子はどうだ?」
まだ眠い・・・。
「おはよう〜。おやすみ〜。」
私は、また目を閉じた。
「こらこら。二度寝するなよ。」
「ねむいのぉ・・・。ねさせてぇ・・・。」
いるの、カイちゃんだけ・・・?
お姉ちゃんは・・・?
「起きろって。」
「や〜〜。」
「やじゃなくて。
・・・・・起きないと・・・襲うぞ♪」
・・・え?
なんか、今・・・カイちゃんが嬉しそうに何かを言った様な気が・・・。
「い〜ち、に〜ぃ、さ〜ん、し〜ぃ・・・・・」
「・・・起きる。」
「よし。おはよう、ダリ♪」
なんかカイちゃん嬉しそう。なんだろう。
「カイちゃん、ずっとここにいたの・・・?」
「あぁ。ダリの寝顔をずっと見てた。」
え・・・。
私の寝がおっ?!なんか恥ずかしい・・・。
「なんでよ〜。」
「だってなぁ。かわいかったぞ。」
むぅ。からかわれてる気がする・・・。
「あ、だりあ起きたの?普段は寝ぼすけなのに。
カイくん、どうやって起こしたの?」
「え?あぁ、また寝るとか言い出すから起きないと襲うぞって言ったら起きた。」
聞き間違えじゃなかったの・・・?
「あはは。それは起きるわ。」
「お姉ちゃん・・・。笑いすぎ・・・。」
「ごめんごめん。」
私の顔が赤くなってるのがわかる気がする・・・。
「だりあちゃん、起きた?おはよう。」
エリィちゃんだ。そうか、ここ病院だった。
「おはよう。」
「あら?なんか、顔が赤いわよ?どうしたの?」
やっぱり・・・。
「な、なんでもない・・・。」
お姉ちゃんとカイちゃんが声を殺して笑ってる。
まったくもう・・・。
「そう?ならいいけど。
ドクター、だりあちゃんが起きました〜。」
二階にいるらしいドクターを呼んでいる。
「わかった。今行く。」
ドクターが答える。
「あら?この本は・・・?」
「あ、これ?昨日、マリーちゃんが持ってきてくれたの。」
「『花の気持ち』・・・か。だりあちゃんみたいね。」
「え?どうして?」
「だりあって花の名前でしょ?花言葉は確か・・・」
「移り気・・・。」
自然と口から言葉が出た。
私はダリアの花言葉知らなかったはずなのに・・・。
「え?確か、華麗とか優雅、栄華って意味だったと思うけど・・・。」
え?ウソ・・・。だって・・・。
「ちょっと待ってて。花言葉の本があるから持ってくるわ。」
エリィちゃんは、二階に行った。
「ダリ、お前花言葉なんて知ってたのか?」
意外そうな言い方だなぁ。
まぁ、私もそうなんだけど。
「う〜ん、わかんない。なんか、言ってたの。」
お姉ちゃんがなんともいえないカオをしている。
なんでだろう。
「だりあ君、調子はどうだい?」
「あ、ドクター。大丈夫ですよ?」
「そうか。少し診察をしよう。」
「は〜い。」
・・・もう大丈夫なのに。

「うん、大丈夫そうだね。
でも、大事をとってもう一日ここにいるように。」
「もう一日?何でですか?」
もう大丈夫そうって言ってるのに。
「念のためだよ、念のため。」
「は〜い。」
「だりあちゃん、持ってきたわよ。」
エリィちゃんが、一冊の本を持ってきた。

   「ダリア」の花は何かを忘れている

   いったい何を忘れているのか・・・

   それはわからない

   記憶の穴は埋まり始める―――


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