第11話

エリィちゃんが持ってきた本は、花言葉が花ごとに細かく載っている本だった。
「ほら、ここ」
エリィちゃんが指差した場所にダリアの花言葉があった。
“ダリアの花言葉:優雅 華麗 栄華 移り気 不安定”
「両方とも合ってたんだね。」
「うん。でも、だりあちゃんは移り気って言うより、一途って感じだよね。
私はそう思う。」
そんなこといわれたのはじめて・・・。
ずっとずっと違うことを言われ続けてたから・・・。
・・・あれ?私、誰に言われたの?
「・・・・・。」
「だりあ?どうしたの?」
お姉ちゃんが聞いてきたけど、答えることができなかった。
誰にそんなことを聞かされたのかを思い出そうとしてたから。
「ダリ?ダリ!」
カイちゃんが名前呼んでる。
「なぁに?」
「どうしたんだよ。なんか変だぞ。」
「なんでもないよ?
一途だなんていわれたの初めてだったから。」
少しだけ、ウソをついた。
「そうなの?あ、ドクターが呼んでる。
じゃぁ、行くね。」
エリィちゃんが行っちゃった。
「ホントになんでもないのか?」
まだカイちゃんが言ってる。心配性だなぁ。
「うん。ただ、ちょっと考え事しちゃっただけ。」
「「考え事?」」
お姉ちゃんとカイちゃんが同時に言う。意外そうに。
私が考え事するのがそんなに意外かなぁ。
「うん。なんで『移り気』って言う花言葉だけ知ってたのかなぁって思って。
普通、いい意味の花言葉は知ってても、悪い意味の花言葉は知らないものでしょう?
『移り気』って、どっちかって言えば悪い意味だと思うし・・・
だから、なんでだろう・・・と思って。」
「そう。」
お姉ちゃんが複雑そうなカオをしてる。
どうかしたのかなぁ。
「それにね・・・
なんか、この花言葉についてなんかいろんなこと誰かに言われ続けてたような気がして。」
「そんなことないだろ。ダリ、本読むんじゃなかったのか?」
あ、そうだった。
でも・・・なんかカイちゃんに話をそらされた気がする。
まぁ、深いことは考えないようにしよう。

『花の気持ち』かぁ。どんな話なんだろう。
私は、読み始めた。

   埋まり始めた記憶の穴

   少しずつ『穴』は小さくなっていく

   穴が埋まれば記憶は戻る

   記憶が戻って、いいのか悪いのか

   それは誰にもわからない―――

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