第15話・表


「お世話になりました!!」
「もう倒れたりしないようにね?だりあちゃん。」
エリィちゃんが言う。
そう、今日は退院の日♪
「大丈夫。カイちゃんもお姉ちゃんもいるし。
セイ兄も来てくれたし。」
「それでも、あんまり無理したら駄目だぞ、だりあ君。」
ドクターさんも来た。
「気をつけます・・・。」
「うん。よろしい。君が倒れるとみんな心配するんだからな。」
「はぁい。」
それから、くどくどといろいろ言われ続けた。
ドクターさん、話が長い・・・。
「ほら、ダリ、行くぞ。」
ドクターさんの話が終わって、カイちゃんが言う。
「あ、うん。」
私は、カイちゃんと一緒に歩き出した。
お姉ちゃんとセイ兄は牧場で仕事してる。

「あ、カイちゃん、マリーちゃんのところに寄りたいんだけど。」
本返さないといけないもんね。
また何か借りようかなぁ。
「ああ、本か。」

「だりあちゃん!もう平気なの?」
「うん!!もう平気!!」
「よかったね。」
図書館に入ると、マリーちゃんは歓迎してくれた。
「マリーちゃん、はい、本。面白かったよ。」
そういって、『花の気持ち』を渡した。
「ダリ、夢中になって読んでたんだよな。
クレアさんが帰っても気づかないぐらい。」
カイちゃんが言う。
そんなこと言わなくてもいいのに・・・。
「そうなの?よかった。」
「こんにちわ、マリー。」
あ・・・グレイ君だ。
「よっ!グレイ。」
カイちゃんが挨拶(?)する。
「あぁ、カイ・・・だりあさんも。どうしたの?」
「・・・こんにちわ。
・・・本を・・・返しにきたの・・・。」
やっぱりダメだ。カイちゃんやミル兄は平気なのになぁ。
セイ兄は当たり前だけど。
え・・・なんで・・・?
自分で思って、自分でわからない。
こんなことがこの頃よくある。なんだろう・・・
「そうなんだ。もう、大丈夫なの?」
「あ・・・、う、うん・・・。」
私の手は、カイちゃんの洋服の端をしっかりと握ってた。
「そう、よかったね!」
「ありがとう・・・心配してくれて。」
感謝の気持ちを・・・と思って、笑った。
カイちゃんの前では素直に笑えるのに・・・
他の男の子の前では素直に、普通に笑えない。
何でだろう。
「!!」
グレイ君は驚いたみたいだった。
なんだか、グレイ君の顔が赤い・・・?
「グレイ!ちょっと来い。
お前がいたらダリがマリーと話せないから。」
カイちゃん・・・私が他の人の前では話せないのわかってるから・・・。
「は?!なんでだよ!」
「なんでもいいの。
じゃあ、ダリ、マリー、こいつ連れて上に行ってるから。
話し終わったら呼べよ。」
「うん。」
カイちゃんは、グレイ君を連れて二階に上がっていった。
「ねえ、だりあちゃん。本当にダメなんだね。
グレイ君が来る前は普通に話してたのに。
私たちのときよりひどい・・・よね?」
マリーちゃんは、私の反応があまりに極端だから、びっくりしたみたい。
マリーちゃんたちになれる前もすごかったけど、まだ、今のほうがすごい。
「うん・・・。同じぐらいの男の子は特に・・・ね。」
「でも、カイ君は平気なんだね。どうして?」
「あ〜、何でだろう・・・。
前、助けてもらったことがあるから・・・かな。」
もう、記憶が薄れかけている、昔のことだ。
「助けてもらった?」
「うん。昔ね。どうしてなのかわからないんだけど・・・。」
「そうなんだ。」
「ねえ、マリーちゃん。ほかに面白そうな本、ない?」
話を変えたかったっていうのもあるけど、
何か本を読みたかったから、そう聞いた。
「う〜ん、これなんかどうかな。
ここに入ったばっかりの本。
私はまだ読んでないんだけど、評判はいいみたいだから。」
と言って渡してくれたのが、『夢の花びら』という本だった。
「これね、短編集だから、忙しくても少しずつ読めるよ。」
「うん。ありがとう。じゃあ、これ借りてくね。」
そう言った後、私は二階へ上っていった。
「カイちゃ〜ん。終わったよ〜。帰ろ♪」
「ああ、ダリ。今度は何借りたんだ?」
「えっとね、『夢の花びら』って本。」
「夢・・・。」
「どうしたの?カイちゃん。」
なんか、カイちゃんが変な顔してる。
「なんでもない。じゃあ、行こうか。グレイ、じゃあな!」
あ・・・グレイ君、いたんだっけ・・・。
忘れて・・・た。
「ああ。またね、だりあさん。」
「うん。バイバイ。」
私たちは、図書館を出て、牧場に帰った。

「お帰り!だりあ。」
「ただいま。お姉ちゃん、セイ兄。」
「遅かったのね。」
もう、三時になっていた。
「うん。マリーちゃんのところに行ってたの。」
「そう・・・。よかったわねv」


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