第16話・表


私たちは家の中でくつろいでいた。
もうすぐ六時。そろそろ、夕飯の時間だ。
「ご飯、何食べる?材料があれば、作るよ?」
私がそういうと、お姉ちゃんがあわてて言った。
「だりあ!ダッドさんのお店に行こ!!」
いつもなら喜ぶのに・・・
何でだろう・・・?
私の料理、いやなのかなぁ・・・
「そうしようぜ!な、ダリ。」
カイちゃんも言う。
なんで・・・?
「私の作る料理、イヤ?」
「「そ、そんなこと!!」」
カイちゃんもお姉ちゃんも、否定する。
「だりあ、クレアもカイも、お前のこと考えていってるんだと思うぞ。
今日帰ってきたばっかりで疲れてるだろ?
無理してほしくはないしな。
それに、だりあの料理は今度まで楽しみに待ってればいいんだし。
な?だりあ、宿屋に行こう。
いいことがあるかもしれないぞ。」
セイ兄が、助け舟(?)を出した。
ダッドさんのご飯はおいしいし、好きだけど・・・
人がいっぱいいるから。
最初よりは話せるようになったけど・・・
まだ、お姉ちゃんやカイちゃんがそばにいるときじゃないと話せない。
なんで、私はこんなに人が苦手なんだろう。
何か、きっかけがあったと思うんだけど・・・。
「ダリ、ダリ!!そんなに行くの嫌か?
それなら・・・」
私が黙っちゃったから、カイちゃんが心配になったらしい。
「大丈夫。行こう?」
セイ兄もいるし、今日はたぶん平気だろう。
「そう?じゃあ、行こう!」
四人連れ立ってダッドさんのお店に行く。

「あ、ちょっと待って・・・」
お店の前に着くと、お姉ちゃんがいきなり立ち止まる。
「・・・?お姉ちゃん?どうしたの?」
「ん?もういいよ。じゃぁ、入ろう。」
何だったの?
カチャッ
ありゃ?真っ暗?
パァンッ
え?!クラッカー!?

パッと明かりがついた。
お店の中には、たくさんの人がいた。
ダッドさん、ランちゃん、クリフ君、グレイ君はもちろんのこと、
カレンちゃん、マリーちゃん、ポプリちゃん、リックさん、エリィちゃん、ドクターさん。
それに、バジルさん、サイバラさん、デュークさん、カーターさん、ジェフさん、ザクさん、ゴッツさん。
なんでこんなに・・・?
「「「「「「「退院、おめでとう!」」」」」」」
みんなが、声をそろえて言う。
あっけにとられてぽかんとしてる私の後ろで、お姉ちゃんとカイちゃん、セイ兄が声を殺して笑ってる。
「びっくりしてる、びっくりしてる。」
カレンちゃんが面白そうに言ってる。
「そりゃそうだろうな。何にも知らされてなかったんだろう?」
「もちろん。途中でセイが言いそうになってあせったけど。」
お姉ちゃんが、答えてる。
三人とも、これを知ってたんだ・・・。
「お〜ね〜え〜ちゃ〜ん〜?」
つい、人がいることも忘れて、お姉ちゃんに向かって言う。
「アハハ、ごめん、ゴメン。
言っちゃダメだって言われてたから・・・。」

「ま、そんなこといいじゃん。
ほら、ダリ、みんなにお礼しないと。
誰ともなく言い出して決めたことらしいからな。
お前が入院してる間、みんな心配してたんだからな。」
あ・・・忘れてた。
「ありがとうございます。
退院祝いなんてしてくれて。」
私は、みんなに向かって、一番の笑顔で言った。
もちろん、怒ってるときに作る笑顔じゃなく。
「「「「「「「どういたしまして!」」」」」」」

そして、大宴会が始まった・・・

ひょっとして、みんなこれが目的なんじゃぁ・・・?

   一途な花は人気者

   その笑顔がみんなを幸せにする笑顔だから?

   たぶん、それもある。

   でも、少し違う。

   一途な花は人を惹きつける

   人から無条件に愛される

   そういう資格を持った花だから・・・

   つらい過去の分、そういう資格を持っているから・・・


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