第18話・裏

朝になった。
宴会は・・・終わった。
最後まで残ってたやつらが酔いつぶれて寝る、というカタチで。
これにつき合わされていたダッドさんはかわいそうだと思う。
クレアは起きそうになく、だりあを起こすのはかわいそうなので、
一人で牧場の仕事を片付けようと、牧場へ向かった。

##牧場・六時##
牧場の仕事を、一人でやるのは思いのほか大変だ。
そう思いながら、仕事をしていた。
「こんにちわ〜。」
お?だれだ?
振り返ってみると、そこにはピンクの髪の女の子がいた。
ポプリだ。
「おはよう、ポプリ。今日はどうかしたのか?」
「あのね、お母さんからトマトを買ってきてって頼まれたんだけど・・・。
クレアさんは?」
そのあたりはクレアがいないとわからないからなぁ。
どうすりゃいいかな。
「クレアは・・・宿屋でつぶれてる。
飲みすぎてな。確か、リックもいたぞ。」
リックもいた。
確か・・・リックとカレンさんとデュークさん・・・だったかな?
クレア以外につぶれてたのは。
すごいよな・・・。そこまで飲むなんて・・・。
「そうなの?だからなんだ。
お兄ちゃんが帰ってこないから、そうかな?とは思ってたんだけど。」
「ああ。帰ろうとはしてたんだけどな。
毎回毎回カレンさんに見つかって、帰るなって言われてた。」
本当のことだ。
酔っているカレンさんは帰ろうとするリックを引き止めていた。
見てて不思議に思うほど。
「ふぅん。
カレンちゃんはね、お兄ちゃんのことが好きなの。」
やっぱりそうなのか。
話してるばかりで、仕事が進まない。
かといって、「邪魔」って言うわけにもいかないし・・・。
「あ!セイ君、一人で仕事してるの?
だったらポプリ、鶏のお世話してきてあげる!!」
「え?あ、あぁ。頼んだ。」
考えていると、先にポプリが言ってくれた。
・・・トマトはいいのか?トマトは。

ポプリが手伝ってくれたおかげで、仕事が早く終わった。
今、十時少し前だ。
「おわった〜〜!!」
ポプリが言う。
鶏の世話のほかに、作物の収穫も手伝ってくれた。
「ありがとう、手伝ってくれて。
おかげで助かった。」
「ううん!!いいの!ポプリも楽しかったし・・・」
てれながら言っている。
なんか、かわいいかも。
だりあみたいだ。
「で、ポプリ、トマトはどうするんだ?
確か、トマト買いにきたんだろ?」
絶対忘れてるな。
「あ!!忘れてた!」
・・・やっぱり。
「ほら、トマト。
手伝ってくれたから、やるよ。」
このぐらいのお礼はしないとな。
「いいの?!ありがとう!!じゃぁ、ポプリ帰るね!」
そう言って、ポプリは帰っていった。
俺も、宿屋に戻るかな。

##宿屋・十時##
宿屋に帰ると、だりあが起きていた。
話をしていると、カイがこっちに気づいた。
なんだか、無性にむかついたから、「ちびカイ」とよんでみた。
すると、カイは手に持っていたトレイをこっちに向かって投げてきた!!
俺は、反射的によけた。
・・・後ろに、だりあがいたのにかかわらず。
もちろん、よけた俺をトレイが追いかけるわけない。
・・・トレイは、だりあにあたった。
だりあは、気を失った。
「ち〜び〜カ〜イ〜?
お前、なんてもん投げるんだよ!!
だりあにあたったじゃないか!!」
「お前が『ちびカイ』だなんていうからだろ?!
お前がよけなけりゃよかったんだよ!」
ほぅ・・・。生意気なことを言うようになったものだ・・・。
「そうか、そうか。
そういうことをいうんだな?
ほぉ〜〜。」
カイの弱みなら、いくらでも知っている。
何しろ、昔から知ってるからな。
「・・・・・」
カイは、俺が何を考えているのかわかったようだった。
その証拠に、沈黙が帰ってきた。
「だりあさんっ?!」
ランさんが来て、びっくりしている。
あ・・・だりあ・・・運ばないと。
「どうしたの?」
「「こいつが悪い。」」
二人で、同時にお互いを指差して言う。
「・・・とにかく、運ばないと。」
そういう、ランさんは、とても恐ろしく見えた・・・。

##二階にて##
「で?」
だりあを運び終えて、ランさんが聞いてくる。
・・・かなり、迫力があって怖い。
「こいつが俺のこと、『ちびカイ』って呼んだから・・・。
つい、手に持ってたトレイをなげちゃったんだよ。
そしたら・・・こいつがよけて、だりあに当たったんだ。」
カイが言う。
「ふぅん・・・」
怖い・・・。
「両方、悪い。
第一、カイ!!店のものを投げるな!!」
「ゴ・・・、ゴメンナサイ」
俺とカイはたっぷりと怒られた。

だりあが目覚める気配はない

   太陽は月に勝てない

   月と太陽は一途な花を傷つけた

   友達思いの元気な花は

   月と太陽に向かって怒る

   一体、一番怖いのは誰・・・?


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