第21話・表・下

三人で、思い切り泣いた。
・・・ランちゃんとポプリちゃんがなんで泣いてるかはわからないんだけど。
泣きすぎて、涙も出てこなくなった頃、ダッドさんが起きてきた。
デュークさんは帰ったようだ。
ダッドさんは、私たちが泣いてるのを見て、びっくりしたようだった。
「おい、ラン!?どうしたんだ?!」
ランちゃんに聞いている。
「お父さん・・。
だりあちゃんが・・泣いてるの・・見てたら・・涙が出てきて・・・。」
そうだったの・・・?・・・私の、せい?
「だりあさん、どうかしたのか?」
今度は、私に聞いてくる。
「大丈夫です。
・・・なんでも、ありませんから・・・。」
もう、涙は出てこない。
まだ、泣きたい気分ではあるんだけど・・・
だから、微笑みながら答えた。
「本当に、大丈夫なのか・・・・?」
お兄ちゃんが聞いてくる。
「大丈夫だよ、お兄ちゃん。
・・・もう、涙は出てこないから・・・。」
「そうか。」
静かに言った。
「「だりあさん・・・」」
クリフくんと、グレイくんが私に呼びかけた。
「何・・・?」
まっすぐ、二人を見て聞く。
なんでかしらないけど、別に二人に話しかけられても、平気だ。
「本当に大丈夫なの?
むりすることはないから・・・。」
クリフくんが言った。
グレイ君は・・・顔が赤く、なってる?
「大丈夫だよ。
思う存分、泣いたから・・・。」
「そう・・・?
まだ、泣きたそうに見えるけど・・・」
え・・・?そう、見えるのかなぁ・・・。
「・・・そう?」
「うん。まだ、悲しそうで・・・」
あんまり人に心配させたくないんだけど、心配させちゃうなぁ・・・。
「大丈夫。ありがとう・・・。」
笑って言う。
クリフくんは、急にてれたように、向こうに行ってしまった。
「ダリ・・・どうしたんだ?」
カイちゃんが聞いてくる。
「何が・・・?」
「だって・・・クリフと普通に話してただろ?
今まで、ダメだったのに。」
あぁ、そういえば。
「わかんない。なんでだろうね・・・?」
「まぁ、よかったんじゃないか?」
お兄ちゃんが言う。
「だりあちゃん、もう平気?」
ポプリちゃんが、聞いてくる。
「うん。大丈夫だよ?
ごめんね、心配かけちゃって。」
「よかった。
だりあちゃんが泣いてるの見てたらね・・・
ポプリも悲しくなっちゃって、泣いちゃった・・・」
ポプリちゃんは、笑いながら、言った。
「ありがとう・・・。」
それだけしか言えなかった。
目の前が、にじんできた。
「だりあちゃん、今度はどうしたの!?」
ポプリちゃんが、あわてたように言った。
「え・・・?」
「今度は、なんで泣いてるの・・・?」
ランちゃんが私に聞く。
え・・・?私、今泣いてる?
無意識のうちに、涙が出てきたらしい。
どうして?
「わかんない・・・。」
私、こんなに涙もろかった・・・?
「泣かないでよぉ・・・。
だりあちゃんが泣くと、ポプリも・・・。」
ポプリちゃんの目にも、涙がたまってきてる。
ランちゃんの目にも・・・?
無理やり、涙を抑える。
「大丈夫。今のはたぶん、嬉し涙だから・・・。」
そう、嬉し涙。
私が泣くと、一緒に泣いてくれる人がいる。
私のことを心配してくれる人がいる。
それに気づいたから。
私は、幸せ者だ―――
そう思った。

それから、みんなでご飯を食べた。
お昼ごはん。
そのあと私とお姉ちゃん、お兄ちゃんそれにカイちゃんは、牧場に帰った。
・・・カイちゃんとお兄ちゃんは「帰った」ってわけじゃないけど・・・。

   「ダリア」の花は幸せな花

   自分で初めてそれに気づく

   心配してもらえる

   一緒に泣いてもらえる

   初めてそれに気づいた

   自分のことを自覚した「ダリア」

   その「ダリア」はどう変わる―――

   それは、誰にもわからない

   自分でさえも、わからない―――


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