「だりあ、朝だよ!!
ほら、おきなさい!
今日は、さっさと仕事終わらせてマリーちゃんのところに行くんでしょう?」
お姉ちゃんが、私の布団を勢いよくはがす。
「ん〜〜〜?あと五分〜〜。」
まだ、眠い。途中で起きちゃったからかなぁ・・・。
「ダメ!ほら、早くしないとセイとカイくんが来ちゃうよ!?」
まったくもぅ・・・。
私は、しぶしぶ起き上がった。
あれ・・・?
金と銀、二組あったはずの指輪とネックレスが・・・ない?
私の手元には、一組しかなかった。
「あら?
それ、どうしたの?」
お姉ちゃんは、私が持っている金の指輪とネックレスを指差して言った。
「これ?夢の中で、『私』にもらったの。
二組あったはずなんだけど・・・。」
他の誰が信じてくれなくても、お姉ちゃんは信じてくれる。
「一組しかないじゃない。もう一組は?」
それがわからないから困ってるんじゃないかぁ〜〜。
「わかんない。どこいったんだろうね。」
本当に・・・どこにいったんだろう?
「まあ、それはおいといて、見せて?」
そう言って、手を出してきたので、渡した。
おいといて、って・・・・・。
「二組ってことは、これ、ペアなんだね。
これを誰かにあげるの?」
ペア・・・?
だから、あんなこといってたんだ。
「・・・うん。
カイちゃんにあげる・・・つもり。
・・・もらってくれるかはわからないけど。」
ベッドの中で、決めたこと。
受け取ってもらえなかったら、あきらめる。
でも、その前に渡せるかどうかさえ、わからない。
私には、そんな賭け、できないかもしれない。
ほとんど、負けるってわかってるような賭けは。
「そう・・・。
あら?これ、内側に何か刻まれてるわよ?」
指輪を眺めていたお姉ちゃんが言う。
「え?どこに?」
私も、指輪を覗き込む。
・・・確かに、書いてあった。
DEAR KAI FROM DAHLIA って。
「カイくんにあげるからかしらね。
『だりあから、カイへ』だって。」
そんなこと、ありえない。
だって、誰にあげるかなんて、わからないはず。
・・・わかる、といえばわかるか。
『大切な人』はたくさんいるけど・・・
『あげたいと思う男の子』はカイちゃんぐらいだもんね。
それに、『夢』ででてきたのは、『私』だ。
でも、私が『夢』の中で見たとき・・・
その時にはこんなの・・・刻まれてなかった・・・ハズ。
・・・どういうこと?
「はい、返すわ。ちゃんと渡しなさいね?」
「う、うん・・・。」
今は、渡すよりも、刻まれた文字の方が気になるよぉ・・・・。
「あ、来たみたいよ?
で、いつ渡すの?」
もう来ちゃったの!?まだ、心の準備がぁ〜〜〜〜〜〜〜
「わかんない・・・。
たぶん、まだ、渡さない。・・・渡せない。」
「そう。」
お姉ちゃんは、残念そうに言った。
『だりあ』の花がもらった指輪
『夢』の中で、もらった指輪
銀の指輪はいったいどこへ?
それは、『夢』のみが知る―――