第25話

「だりあ、朝だよ!!
ほら、おきなさい!
今日は、さっさと仕事終わらせてマリーちゃんのところに行くんでしょう?」
お姉ちゃんが、私の布団を勢いよくはがす。
「ん〜〜〜?あと五分〜〜。」
まだ、眠い。途中で起きちゃったからかなぁ・・・。
「ダメ!ほら、早くしないとセイとカイくんが来ちゃうよ!?」
まったくもぅ・・・。
私は、しぶしぶ起き上がった。
あれ・・・?
金と銀、二組あったはずの指輪とネックレスが・・・ない?
私の手元には、一組しかなかった。
「あら?
それ、どうしたの?」
お姉ちゃんは、私が持っている金の指輪とネックレスを指差して言った。
「これ?夢の中で、『私』にもらったの。
二組あったはずなんだけど・・・。」
他の誰が信じてくれなくても、お姉ちゃんは信じてくれる。
「一組しかないじゃない。もう一組は?」
それがわからないから困ってるんじゃないかぁ〜〜。
「わかんない。どこいったんだろうね。」
本当に・・・どこにいったんだろう?
「まあ、それはおいといて、見せて?」
そう言って、手を出してきたので、渡した。
おいといて、って・・・・・。
「二組ってことは、これ、ペアなんだね。
これを誰かにあげるの?」
ペア・・・?
だから、あんなこといってたんだ。
「・・・うん。
カイちゃんにあげる・・・つもり。
・・・もらってくれるかはわからないけど。」
ベッドの中で、決めたこと。
受け取ってもらえなかったら、あきらめる。
でも、その前に渡せるかどうかさえ、わからない。
私には、そんな賭け、できないかもしれない。
ほとんど、負けるってわかってるような賭けは。
「そう・・・。
あら?これ、内側に何か刻まれてるわよ?」
指輪を眺めていたお姉ちゃんが言う。
「え?どこに?」
私も、指輪を覗き込む。
・・・確かに、書いてあった。
DEAR KAI FROM DAHLIA  って。
「カイくんにあげるからかしらね。
『だりあから、カイへ』だって。」
そんなこと、ありえない。
だって、誰にあげるかなんて、わからないはず。
・・・わかる、といえばわかるか。
『大切な人』はたくさんいるけど・・・
『あげたいと思う男の子』はカイちゃんぐらいだもんね。
それに、『夢』ででてきたのは、『私』だ。
でも、私が『夢』の中で見たとき・・・
その時にはこんなの・・・刻まれてなかった・・・ハズ。
・・・どういうこと?
「はい、返すわ。ちゃんと渡しなさいね?」
「う、うん・・・。」
今は、渡すよりも、刻まれた文字の方が気になるよぉ・・・・。
「あ、来たみたいよ?
で、いつ渡すの?」
もう来ちゃったの!?まだ、心の準備がぁ〜〜〜〜〜〜〜
「わかんない・・・。
たぶん、まだ、渡さない。・・・渡せない。」
「そう。」
お姉ちゃんは、残念そうに言った。

   『だりあ』の花がもらった指輪

   『夢』の中で、もらった指輪

   銀の指輪はいったいどこへ?

   それは、『夢』のみが知る―――


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