第26話・裏

牧場に着いた。
二人とも、ポプリがいるのを見たらどんなカオをするだろう。
「おはよう、だりあ、クレア。」
ドアを開けて、中にいる二人に声をかける。
「おはよう、セイ。それにカイくんに・・・ポプリ、ちゃん?」
クレアが、言う。言っている途中で、ポプリに気づいたようだ。
クレアも、ダリアもびっくりしたようなカオをしている。
「おはよう、ダリ、クレアさん。」
カイも言う。
あの『鎖』のことは言わないのか?
まぁ、言わない方が賢明だろう。
「おはよう。
ポプリちゃん、今日はどうかしたの?
何か、買い物?」
だりあが、ポプリに聞いている。
まさか、手伝いに来た、なんて、思ってもいないだろう。
「ううん、お仕事、お手伝いに来たの。」
ポプリは、普通に言っているけど、だりあは驚いたようだ。
「大丈夫なの?リック君とか。」
クレアが聞いている。
そういえば、そうだな。
あの、小うるさいリックが何も言わないわけがない。
「大丈夫。お兄ちゃんには何も言ってないから。」
ちょっと待て。
もし知ったとき、後が怖いと思うんだが・・・。
「え?!じゃあ、ここに来てること、誰にも言ってないの?」
クレアが言う。
確かに誰にも言ってないとなると・・・
リックがよけいにうるさくなるだろう。
「ううん。お母さんにはちゃんと言ってあるから平気。」
それなら、まだいい。
リックが、きっとうるさいことは変わらないだろうが。
「ならいいけど・・・。」
決まったところで、仕事はどうなってるんだ?
「さっさと始めた方がいいんじゃないか?」
早く終わらせないと、後が困る。
「じゃあ、仕事、始め!!」
クレアも、元気がいい・・・。
ポプリは、鳥小屋へ、俺とクレアは畑へ収穫に向かった。

約四時間後。
俺たちは、ようやく全ての仕事を終わらせた。
収穫物が異様に多かった。
畑のもの、ほとんどが収穫可能ってどういうことなんだよ!?
もし俺たちがいなかったら、きっと一日かかってたことだろう。
俺たちは、木陰で一息ついた。
「ダリ、行くんだろ?」
カイが、だりあに聞いていた。
「あ、うん・・・。」
図書館に、アズサの手紙を読むために。
本当は、教えてやりたいところなんだが・・・これだけはダメだと思う。
「何〜〜??どこか行くの?」
ポプリが、聞いた。
自分も行く、とかいうんじゃないだろうなぁ・・・。
「あぁ。図書館に用事があるから。」
カイが答えた。
「ふぅん。行ってらっしゃ〜い。」
お?言わなかったか・・・。
「さぁ、行くぞ。」
カイは、もう歩き始めている。
「ちょっと待って!本、とってこないと・・・。」
本がないと、訳すことはできないからなぁ。
だりあは、家の中に入っていった。
本を持って、出てくると、すぐにカイとともに歩き出した。
「「いってらっしゃ〜い。」」
クレア、ポプリが同時に言う。
それを背中で受けながら、ダリアとカイは牧場を出て行った。
「あ、私も買い物に行かなくちゃ。」
クレアがそう言って、家の中に入った。
「ねぇ、セイ君・・・」
ポプリが、何かを言いたいようだ。
「何だ?どうかしたのか?」
「あ、あのね・・・。ポプリと、デート、しよ!!」
デート??
デートって言ったって・・・。
「いいけど・・・。」
「本当!?やった〜〜!!」
そ、そんなに喜ぶことか・・・?
クレアが、出てきた。
「じゃあ、私は行くけど・・・セイは?」
クレアが聞いてくる。
「クレアさん、聞いて!!
セイ君ね、ポプリとデートしてくれるって!!」
クレアは、一瞬意外そうなカオをした。
「そう。よかったね、ポプリちゃん。
セイ、ポプリちゃんを襲っちゃダメだからね?!
そんなことしたら・・・・・わかってるわね?」
クレアは、凄みをきかせて俺に言う。
「襲うか!」
クレアは、本気だった。
少なくとも、最後の言葉は。
「そう?ならいいけど・・・。
じゃあ、行ってくるね!
ポプリちゃん、それ、自由に使っていいからね!!」
それ?!『それ』って・・・俺のことか!?
「はぁい♪♪」
ポプリ・・・返事するなよ・・・。
そして、俺たちはデートすることになった。


   月は幼い花をどう見ている?

   月は、自分のことはよくわからない

   どう思ってるのかも、わからない

   ほかのことは、わかるのに―――


   月の大事な、月の花

   月と双子の月の花

   月が一番怖いのは自分に何よりも近い、月の花―――


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