第31話・表

「おはようございま〜〜っす!!」
外から、何人かの女の子の元気な声が聞こえる。
・・・誰?
「あぁ、おはよう。どうかしたの?」
お姉ちゃんが、応対してる。
私は、まだベッドの中。
誰が来たんだろ・・・。
「あ、だりあちゃん、まだ寝てるの?」
エリィちゃんが、いる。
・・・どうして?
「え?まだ寝てるの!?」
カレンちゃんも・・・?
「だりあちゃん、起きろ〜!」
ポ、ポプリちゃん・・・?
「みんな、どうしたの?
・・・こんな早くに。」
起き上がりながら、言った。
そこには、ランちゃんとマリーちゃんもいた。
「え?今日、みんなで遊ぼう、って誘いに。」
カレンちゃんが、みんなを代表して言う。
「でも、仕事があるし・・・」
牧場の仕事があるから、そんなには遊べない。
「大丈夫。私たちも手伝うから。
みんなでやれば早く終わるだろうし・・・。」
マリーちゃんが言った。
え?でも・・・
「みんな、やることがあるんじゃないの・・・?」
みんな、働いてるはずだ。ポプリちゃんは微妙だけど・・・。
「大丈夫。ドクターにはちゃんと言ってあるから・・・」
エリィちゃんは、にっこりと笑って、言った。

そんな話をしてるうちに、カイちゃんとお兄ちゃんが来た。
「あ、カイ、セイヤくん。
遅かったねぇ。」
すっかりくつろいでいるカレンちゃんが言う。
仕事は・・・いいのかなぁ。
「な、何でお前らがここにいるんだ!?」
カイちゃんは、驚いて叫ぶ。
叫ばなくても・・・
「カイ君、女の子に「お前ら」呼ばわりはよくないと思うよ?」
お姉ちゃんが、笑顔で言ってる。
なんか、怖い・・・
「ごめん、クレアさん。
・・・気をつけるよ。」
「うん、それでよし♪」
カレンちゃんたちは、声を殺して笑ってる。
「で?お嬢様方は、どういったご用件で?」
お兄ちゃんが、かしこまって(?)言う。
そんなにかしこまる必要があるの・・・?
「あのね、セイ君。
だりあちゃんを貸してもらいにきたの。」
ポプリちゃんが言った。
でも・・・私は物じゃないよ?
『貸してもらいに』って・・・
「ちょっと待て。
・・・ダリは物じゃないだろ?」
カイちゃんが、言う。
私と同じこと考えてたんだぁ。
あ、指輪・・・渡さないと・・・
「いいんじゃない?
さぁ、仕事しないと、その話も不完全になるよ?」
い、いいの・・・?お姉ちゃん・・・。
「あ、そうか。
じゃあ、仕事しよう!」
ランちゃんが、元気よく言う。
私、ご飯まだ食べてないんですけど・・・
「あ、だりあはまだご飯食べてなかったっけ?」
お姉ちゃん・・・忘れてたの?
「うん・・・。まだ、食べてない。」
素直に、答える。
朝ごはん抜きはやだなぁ・・・
「じゃあ、だりあちゃんは、ご飯食べてればいいよ。
その間に、仕事してるから。」
ポプリちゃん・・・
「あ!ごめん、だりあ!
朝ごはん、だりあの分、まだ作ってない・・・」
「えぇ!?
・・・自分で作るよ。」
しょうがない。自分で作るしかないもんね。
「カイ、作ってあげたら?朝ごはん。」
カレンちゃん・・・?
「いいよ。私、作れるから。」
カイちゃんだって、海の家を開ける前に来てくれてる。
あんまり迷惑はかけたくない。
「カイ君、作ってあげてくれる?だりあに。」
お姉ちゃんまで・・・?
「いいですよ。ダリ、何が食べたい?」
「えっ!?いいよ。
カイちゃんは、やることがあるんだし。
自分で作れるから・・・」
お姉ちゃんが、私のそばに来て、耳元でささやいた。
 ―指輪、渡しなさいよ・・・?―
・・・え?
そ、そのために・・・?
「じゃあ、仕事、開始!!」
みんな、外に出て行く。
「あ、カイ、ちょっと。」
カレンちゃんが、カイちゃんを呼んだ。
なんだろう?
カレンちゃんは、カイちゃんと二三言話してから、外へ出て行った。
家の中には、私とカイちゃんだけが残された。


   妹思いの月の花

   それは、ただのおせっかい?

   一途な花の想いの行方は?

   それは太陽の想い次第―――


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