今、家の中には私とカイちゃんだけ。
ど、どうしよぅ・・・
「ダリ、何食べたい?」
カイちゃんが、冷蔵庫をあさりながら言う。
う〜ん・・・
「何でもいい。簡単なものでいいよ。」
平常心、平常心・・・
「じゃあ、フレンチトーストでも作ってやるよ。」
え!?やった〜♪
「カイちゃん、甘いのがいいな♪」
「わかってるよ。」
覚えててくれたんだぁ。
私が、甘いフレンチトーストが好きなこと。
カイちゃんが、キッチンに入って、作ってくれた。
フレンチトーストに、紅茶。
「いっただっきま〜す!!」
食べ終わって、片づけをし終わって。
「ダリ、お前、髪の毛とかしてないだろ。」
いきなり、カイちゃんが言った。
よくわかるなぁ・・・
今日は、時間がなくてちゃんととかしてない。
「う、うん。」
私の髪の毛は長いから、とかすのが大変。
だから、面倒なときはやらないんだけど・・・
「こっち来い。やってやるから。」
カイちゃんが、ブラシを持って手招きしてる。
そういえば、昔はいつもカイちゃんがやってくれてたんだっけ・・・。
「うん。」
私は、素直に鏡に向かった。
あ〜、指輪、どうしたらいいんだろう・・・・
「ほら。これでいいだろ?」
「ありがとう。」
とりあえず、お礼。
「あ、ちょっと待て。」
立ち上がろうとした私を止めた。
「何?カイちゃん。」
カイちゃんは、何も言わずに私の髪の毛を手に持った。
な、何をするの・・・?
カイちゃんは、真剣な顔をしてる。
何・・・?
「ダリ・・・だりあ・・・」
カイちゃんが、私を呼び名じゃなく、呼んだ・・・?
今まで、そんなこと、なかったのに・・・
私は、動けなかった。
いつもとは違うカイちゃんの目に、とらわれて。
「ダリ、好きだ。
もう、ずっと昔から、俺は、ダリのことが・・・。」
カイちゃんは、私の髪の毛に、キスをして言った。
え?で、でも・・・
私は、もう、一回・・・
それに、昔からって・・・?
私の頭の中は、ぐちゃぐちゃだった。
でも、私の顔は赤くなってる。
それだけはわかった。
「別に、今すぐに返事をくれ、とは言わない。
ダリが、落ち着くまで待つから。」
カイちゃんは、それだけを言って出て行こうとした。
「ま、待って!
カ、カイちゃん・・・」
無意識のうちに呼び止めていた。
私の手の中には、指輪とネックレス。
今、渡そう・・・
そう、思った。
カイちゃんは、またこっちに戻ってきてくれた。
「あ、あのね、カイちゃん。
わ、私も、カイちゃんのこと・・・」
それだけで、精一杯だった。
目の前がにじんできた。
何で、私はこんなに涙もろいんだろう。
カイちゃんは、信じられないような、うれしそうな複雑な顔で私を見てる。
もう一回・・・
「あのね、私もカイちゃんのことが好きなの。」
今度は、ちゃんと笑って言えた。
カイちゃんの顔は、見る間に赤くなってく。
指輪・・・渡さないと・・・
「でね、これ・・・」
指輪とネックレスを差し出す。
カイちゃんは、受け取ってくれた。
「ダリ、かわりに、これ。」
そう言って、カイちゃんは私にもう一つの指輪とネックレスをくれた。
カイちゃんのところにあったんだ・・・
カイちゃんは、ネックレスに指輪を通して、首にかけた。
「カイちゃん・・・。
私にも、そうして?」
そういうと、カイちゃんは私にも同じように首にかけてくれた。
すごく、うれしい・・・
バタンッ
・・・え?
な、何か、今、すごい音が・・・
一途な花には思いがけない太陽の告白
それは花にとってうれしい言葉
一途に一途に想ってきた太陽からの言葉だから
一途な花は今、一番幸せな花
これから先も、きっと幸せ
太陽がいなくなっても、きっと幸せ―――
太陽と交換した『指輪』
その『指輪』は意味を持つ
意味のないものなんて何一つない
表の意味と、裏の意味
二つが合わさってわかる、『真の意味』
『指輪』の意味は、いったい何?
それは、今はわからない
それがわかるのは、太陽がいなくなってからのこと―――