第33話・裏

だりあが、こっちを振り向いた。
ドアがなくなってる事に驚いたのか、目が丸くなっている。
思わず、ため息が出る。
「お姉ちゃん・・・何をしてたの?
どうして、ドアが壊れてるの?」
だりあは、それを言うのが精一杯なようだ。
きっと、頭の中が混乱しているのだろう。
「えっと・・・・・」
家の中に入りながら、クレアが言う。
言う、という表現は間違えているかもしれないが。
そう思うほど小さな声で・・・
聞こえないんじゃないかと思うような言い方だった。
「お前ら・・・ひょっとして・・・」
カイが低い声で言った。
きっと、合ってるだろうな・・・
でも、カイはだりあの顔を見て言うのをやめた。
だりあは何も気付いてないようだし、その方がいいのかもしれないな。
「ひょっとして・・・何?」
だりあがカイに聞いている。
やっぱり、気付いてなかったのか。
「いや、いい・・・」
気付いてないだりあにわざわざ言わなくてもいいだろうな。
だりあも、やっと幸せになれるのか?
「カイ、よかったね?」
カレンさんが言う。
からかうような顔で。
そういえば、けしかけてたっけな・・・
「や、やっぱりお前ら・・・」
カイの顔は、見る間に赤くなる。
このまま見てるのも面白いが、とりあえず先にやることがある。
「おい、これ、直さなくていいのか?」
ドアを指差して言った。
このままにしてたら、夏だといっても寒いだろう。
「えっと・・・ゴッツさんに言えば直してもらえるかな?」
ゴッツさん?
あぁ、あの気の良さそうな熊みたいな人か?
「じゃあ、ゴッツさんに言いに行ってくる!!」
だりあは、外に出て行こうとした。
「ちょっと待って!今日、土曜日だよ?」
そんなだりあをクレアが止める。
土曜日?それがどうかしたのか?
「土曜日、ゴッツさん休みの日だよ?
たぶん、行っても開いてないと思う・・・」
へぇ・・・
無駄足になるところだったのか。
「じゃあ・・・直すのに必要な道具、あるか?」
直すための道具があれば、何とかやれるかな?
そう思って、クレアに聞いた。
「ないと思う・・・」
ない?
こんな牧場ならあると思ったんだけどな・・・
「グレイのところにならあるんじゃないか?」
カイが言った。
グレイ?
グレイは・・・鍛冶屋の店員だったか?
あ?修行してるんだったか?
「あぁ、そうだね。
じゃあ、だりあ、行ってきてくれる?」
クレアがだりあに言う。
なんで壊したっていうのには関係のないだりあが行く必要があるんだ?
行くとしたら、クレアかお姫様方、それか俺だろうに。
「うん、行ってくる。」
だりあは素直に答えて、外に出た。
素直すぎるのも問題かもな・・・
まぁ、そこがだりあのいいところか。
「あ、俺も行く。」
カイも行くのか。
やっぱりだりあ一人じゃ心配なのか?
「いってらっしゃ〜い」
カレンさんたちののんきな声。
壊した張本人たちがこれでいいのか?
古くなってたっていうのもあるのかもしれないが、
最終的に壊したのはクレアと怖い怖いお姫様たちだ。
この事実は動かせないと思うんだが・・・
こんなにけろっとしてていいものなのか?


   月は願う

   大切なダリアの花の幸せを

   月は祈る

   ダリアが笑っていることを

   『海』もきっときっと願っている

   「梓」もきっと祈っている

   ダリアと太陽が幸せになることを

   海は愛しき月の花の幸せも願う

   その願いは叶うのか


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