35話・表・上


「こんなもんかな」
「二時間ぐらいで直せてよかったな。
・・・なんか不恰好だが。」
「・・・気にするな、セイヤ。」
「ちびカイ・・・少しは気にしろよ」
カイちゃんとお兄ちゃんが、直ったドアを動かしながら言ってる。
二人で、がんばって直してくれた。
「あ、終わった?お疲れさま〜♪」
お姉ちゃんが、手に持ったクッキーを口に入れながら言う。
それ・・・サイバラさんに持ってくために作ったんだけど・・・
「・・・はぁ・・・」
「なぁに?セイ?」
深いため息をついたお兄ちゃんに、お姉ちゃんが聞いた。
「いや、なんでもない・・・」
「そう?」
なんか・・・面白い。
カレンちゃんたちは声を殺して笑ってる・・・
「ダリ、これ返しに行くか?」
「あ、うん。」
使い終わったら返しに行かなきゃ・・・
「あ!ダメだよ〜」
・・・え?
「カイはここでお留守番。
今日と明日ね。」
「「・・・は?」」
ポプリちゃん、ランちゃんの言葉に私とカイちゃんの頭の上には??が浮かぶ。
何で?
「だから、だりあちゃん。
カイはおいてみんなで行こう♪」
え・・・っと・・・?
「ほら、行こ!!」
私は意味がわかってないのに・・・
ポプリちゃんたちが、私の腕を引っ張る。
そして、そのまま牧場の外まで。

「えっと・・・?」
「どうしたの?」
状況がよくつかめてない私に平然と聞いてくる皆様。
「私は何でこんなことになってるの・・・?」
「え?明日、カイの誕生日でしょ?
誕生日パーティ開くからその準備♪
ごめんね?これからパーティまでカイに会わせないから♪」
あ〜・・・カイちゃん、明日誕生日だっけ?
誕生日プレゼント・・・用意してないや。
「カイくんに会えないの、いや?」
黙り込んだ私にエリィちゃんが聞いてくる。
そういうわけじゃないんだけど・・・
「ううん、そういえばもうカイちゃんの誕生日なんだなぁ、と思って。」
正直言って、忘れてた。
『指輪』のことで精一杯で・・・
「え!?じゃあ・・・
プレゼント用意してない?」
「うん・・・」
カレンちゃんの驚きの声に正直に答える。
全く考えてもいませんでした。
ごめん、カイちゃん。
「それならプレゼントも買いに行かなきゃね。何にする?」
何がいいかなぁ・・・
「バンダナ・・・」
そういえば、毎年バンダナあげてた。
・・・カイちゃんがいなくなった年まで。
毎年毎年、あきもせずにあげてたなぁ・・・
そんなのでもカイちゃん喜んでくれたし・・・
「バンダナ?」
みんなの声が揃ってる・・・
「うん。前まで、毎年バンダナが恒例だったんだ。」
「あ、じゃあひょっとして・・・
今してるバンダナもだりあちゃんがあげたやつ?」
今してるやつ・・・・?
えっと・・・
「紫色の?
あれは・・・多分そう。」
そういうと、なぜかみんな納得したように頷いている。
「どうしたの?」
「え?カイがどうしてもバンダナ取らなかった理由がわかっただけだよww」
へ?
「カイ君がバンダナ外してるところ、見たことないんだ。」
「どんなにはずさせようとしたって拒否したからねぇ・・・」
「ポプリが他のプレゼントしようとしてもいらない。って言ったし・・・」
「その理由、とっても気になってたのよv」
ランちゃん、マリーちゃん、カレンちゃん、ポプリちゃん、エリィちゃんの言葉。
「そ、そうなの・・・?」
「うん」
みんな、異口同音に声をそろえていった。
そんな話をしてるうちに、鍛冶屋さんについた。


   花たちの長年の疑問が今解ける

   ダリアの花の言葉によって

   それはひどくあっけないもの

   そしてとてもうらやましいもの

   ダリアが想われているという証拠なのだから―――




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