第40話

「ってわけで、行きましょうvv」
「いってらっしゃーい♪
頑張ってね、だりあ♪」
唖然としているだりあをつれて、フィオちゃんが消えた。
私も、そろそろかな?
外に出るのなんて、久しぶりだなぁ・・・・・
ずっと・・・ずっと、眠ってたから。
意識が遠くなっていく。
久しぶりの感覚。
街の人たちにも、少しは事情を話さないといけないかな・・・
今後のためにも・・・

目を開ける。
・・・少し、動きにくいかな。
だりあの体に入るのも久しぶりのことだし・・・
って、だりあ、椅子で眠ってたのね。
そしてベッドには、5人の女の子。
・・・だりあの寝る場所がないわ。
思わず、苦笑した。それで目の前へと視線を向けると、大きな鏡が。
立ち上がって、鏡の前へと行く。
少し、よろけたけど大丈夫。
やっぱり・・・動きにくい。すぐになれるだろうけど。
鏡に映っているのは、私。
だりあの綺麗な金髪より青みが強くなった髪に、だりあの水色の瞳よりさらに青い目。
アズサには、『青いだりあ』って呼ばれたっけ。
blue dahlia・・・“ありえないもの”。
顔貌はだりあなのに、だりあじゃない。
私は、だりあであってだりあでない。
いてはいけないもの、いることがありえないもの・・・
鏡に、私の自嘲的な笑みが映った。
「あれ・・・?だりあちゃん?」
どくんっと心臓が跳ね上がる。
眠そうに目をこすっているのはポプリちゃんと、だりあが呼んでいる子。
だりあの記憶は、すべて私もわかっている。
「おはよう、ポプリちゃん。」
みんな、次々と目を覚ましていく。
「・・・・・・・誰?
だりあちゃんじゃ・・・ないよね?」
一言、言われた言葉。早鐘を打つように、鼓動が早くなった。
「うん。この体は、だりあだけどね。」
みんな、一気に目が覚めたらしい。
「あなた、誰・・・?
だりあちゃんは、どこに行ったの・・・?」
警戒されている・・・そう思った。
こういうのは、ちょっと・・・辛い、かな。
「私はカリン。
だりあは・・・今女神様のお使いで他の場所に行っているの。」
「カリン・・・ちゃん?女神様のお使いって・・・?」
女の子たちみんなが私を凝視しているのがわかる。
まぁ、いきなりじゃそうなるのも無理はないけど・・・
「ちょっと女神様の頼まれ物を届けに、ね。
パーティまでには戻ってくるから大丈夫。」
「へぇ・・・
カリン・・・さんはなんでここに?」
エリィちゃんが、聞いてくる。
「さん付けじゃなくてもかまわないわよ。
私は“留守番”なの。だりあの代わり。」
「だりあちゃんの・・・代わり?」
「えぇ。だりあの代わり。
セイヤかクレアを呼んできてくれるかしら?
私が牧場の方へ行ってもいいんだけど・・・」
「牧場には行っちゃダメ!」
私の言葉を受けて、ポプリちゃんが言った。
ほとんど反射的に言ったみたい。
「グレイとクリフを起こして、呼びに行ってもらおうか。」
そういって、ランちゃんが隣の部屋へと行った。
「起きろ〜〜〜〜!!」
「まだ6時前じゃねーかっ!!」
「いいから起きろっ!!」
こんな声と共に、がこんっという音が。
・・・殴られた?
「いってー・・・・・」
「着替えたら、隣の部屋に来なさいね!?」
そして、ランちゃんが戻ってきた。
「起こしてきたw」
何だか、すっきりした顔してるなぁ・・・
「ったく・・・なんなんだよ。」
「眠い・・・・・」
来たのはグレイとクリフ。
二人とも、眠そうだなぁ。
でも、その二人の目が私に向いたとき、一気に目が覚めたらしい。
「「・・・だりあさんっ!?」」
二人は笑いたくなるほど、息ぴったりで叫んだ。
「おはよう、クリフ君、グレイ君。」
にっこりと笑ってみる。
途端に、二人の顔が赤くなる。
ん〜・・・わかりやすくて面白いv
「だりあさん、なんか青っぽく見えるんだけど・・・?」
クリフが、聞いてきた。
青っぽく見えるとは失礼な。まぁ、実際そうなんだけどね。
「私はカリン。
だりあの・・・“もう一つの人格”とでも言えばいいかしら?」
「もう一つの人格・・・・?」
「あ、だからといってだりあが二重人格だってわけじゃないから♪
その辺、勘違いされると困るんだv」
みんな、理解が出来てないようでなんともいえない顔をしている。
あとで、セイヤたちにちゃんと説明させなきゃ。
「で、クリフ君、グレイ君。
セイヤとクレアを呼んできてくれないかしら?
カイは別に呼んできても呼んでこなくてもいいから。」
「いってらっしゃい、クリフ、グレイw
カイは呼んできちゃダメだからね〜v」
そう言って、女の子たちが二人を追い出した。
だりあを通してみてたときも思ったんだけど、この町はずいぶん女の子が強いんだよねぇ・・・
なんでなんだろう・・・

   ダリアのいない、現実世界

   その代わりには、花梨の花が。

   ダリアと似てても、異なるもの

   そのまたの名は、「blue dahlia」

   『青いダリア』は何を知る



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