songs 3 moon



俺たちは、まだ神殿にいた。
マザーたちが引き止めるからだ。
きっと、寂しいんだろう。
「気をつけて。
外の世界は、あなたたちが知らないことばかりですからね。
ミネラルタウンなら大丈夫だと思いますが・・・。」
何回も、同じことを言う。・・・壊れた機械みたいに。
できれば、さっさと開放してもらいたい。
隣では、陽華の様子が変わってきている。
制御リングは、ついてない。
でも、マザーはそれに気づかない。
まったく・・・。
「マザー、俺たちは大丈夫ですよ。
いやになったら、帰ってきますから。」
陽華の制御が出来なくなる前に、さっさと行こうと思って、言った。
もちろん、最後のは本心じゃない。
きっと、いやになることなんかないだろう。
でも、俺の言葉を聞いて、マザーは引き下がってくれた。
陽華の様子には気づかないまま。
「じゃあ、そろそろ行きますね。」
機嫌がよくなったらしい、陽華が言う。
そして、俺をひっぱって、魔方陣の上へ。
「あ、まちなさい!!」
マザーが言う。
今度はなんだ・・・?
陽華は、またもや機嫌が悪くなった。
結構機嫌なおすの大変なんだぞ。
「これを。」
マザーが、俺たちに金と銀の袋を差し出す。
中に、何か入っている。
「マザー、これは・・・?」
陽華が聞いている。
「お守りです。
今開けては駄目ですよ?
あなた方に、大切な人が出来たら、開けなさい。
もちろん、その前に帰ってきてもいいですけどね。」
それなら、開けることはないな。
俺は、陽華がいればいい。
ただ一人、陽華さえいればいい。
そう思う。
さあ、これ以上、陽華の機嫌が悪くならないうちに、ここを出ないと・・・。
「「マザー、お元気で・・・」」
俺たちは、そろって言う。
「あなた方もね。
連絡を待っていますよ。」
目の前が、ゆがんだ。
そして、マザーの顔が見えなくなる。
俺は、静かに眼を閉じる。
次に見るのは、どんな景色だろう―――


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