songs 5 sun



来たのは、赤い変な服と帽子をかぶった、おじさん。
「君たちは誰だい?
それに、ここで何をしてるんだい?」
う〜ん、トマトみたい。
「人に誰かを聞く前には自分が先に名乗るのが礼儀だと思いますが?
で、ここは牧場なんですよね?」
月華が、冷静に答える。
でも、私にはわかる。
月華は、この人のことは嫌いだ。
きっと、そのことに気づくのは私ぐらいだろう。
ちょっとした、微妙な違いだから。
「あ、ああ。悪かったね。
私はトーマス。この町の町長をしてるんだ。
そう、ここは牧場だよ。もう、十年以上使われてない、ね。
で?どうして君たちはこんなところにいるんだい?」
トーマス・・・名前まで、トマトみたい・・・。
「俺たちはこの牧場に来たんです。」
月華は、「俺」って言うのを直していない。
別にいいんだけどね・・・。
「え?!この牧場に!?」
どうしてそんなに驚くの?このトマト。
「はい。何がおかしいんでしょうか?」
丁寧な言葉で、私が言った。
あまりにむかついたから。
トマトは、私の言葉に込められた「言霊」を感じ取ったらしい。
いきなり、態度が小さくなった。
「い、いや・・・こんなに若い女の子二人がこの牧場をやるなんて、と思いまして・・・。」
「女の子」二人、かぁ・・・。
やっぱり、そう思うんだ・・・。
「大丈夫ですよ?私たち、二人でなら。」
他の人たちはダメでもね。
「そ、そうですか・・・?
それなら、いいんですが・・・。」
トマトが言う。
「はい♪あ、でも・・・道具とかないから・・・くれたり、しませんかねぇ?」
トマトは、おびえてるみたいだから、ついでにくれたりしないかなぁ・・・。
「ど、道具、ですか・・・?
道具なら、家の中にあったはずなので・・・。
どうぞ、それをお納めください・・・。」
家の中?古そうだなぁ・・・。
「はい、ありがとうございます。
これから、いろいろとお世話になると思いますが、よろしくお願いします。」
月華が言う。
まだ、このトマトで遊びたいのに・・・。
トマトは、帰っていった。


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